遺族厚生年金の支給要件

1.被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
※ただし令和8年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
2.老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。
3.1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

年金請求 寡婦年金

第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が10年以上(注)ある夫が亡くなった時に、10年以上継続して婚姻関係にあり、生計を維持されていた妻に対して60歳から65歳になるまでの間支給されます。
年金額は、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3。
亡くなった夫が、障害基礎年金の受給権者であった場合、老齢基礎年金を受けたことがある場合は支給されません。
妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けている場合は支給されません。

働き方改革 年次有給休暇5日間

―年5日の年休の確実な取得―

 2019年4月から、全ての企業において、年次有給休暇(以下、年休)の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。

1.対象者
法定の年休が10日以上付与される労働者(管理監督者、比例付与のパート労働者等を含む)です。
前年度から繰り越した年休の日数は含まず、当年度に付与される法定の年休の日数が10日以上である労働者が義務の対象です。

2.年5日の時季指定義務
使用者は、労働者ごとに、年休を付与した日から1年以内に5日について、取得時季を指定して年休を取得させなければなりません(改正労基法39条7項)。
2019年4月1日以後、最初に年10日以上の年休を付与する日から、確実に取得させる必要があります。※前倒し付与の場合の取扱については解説を省略します。

3.時季指定の方法
使用者による時季指定にあたっては、労働者の意見を聴取しなければなりません(面談、年休取得計画表、メール、システムを利用した意見聴取等、任意の方法による)。
また、できる限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するよう努めなければなりません(改正労基則24条の6)。

4.時季指定を要しない場合
「使用者による時季指定」、「労働者自らの請求・取得」、「計画年休」のいずれかの方法で年5日以上の年休を取得させれば足りますので、これらいずれかの方法で合計5日に達した時点で、使用者による時季指定をする必要はなく、また、することもできません(改正労基法39条8項)。
なお、繰越し分の年休を取得した場合には、その日数分を時季指定すべき年5日の年休から控除できます。

5.就業規則への規定、年休管理簿
使用者による時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲および時季指定の方法等について、就業規則に記載しなければなりません(労基法89条)。
労働者ごとに、時季、日数および基準日を明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作成し、3年間保存しなければなりません(改正労基則24条の7)。なお、労働者名簿または賃金台帳とあわせて調製することができます。

6.半日単位・時間単位の年休の場合
時季指定で労働者から半日単位での年休の取得の希望があった場合には、半日単位で取得でき、取得1回につき0.5日として、その日数分を時季指定すべき年5日の年休から控除することができます。
時間単位の年休については、使用者による時季指定の対象とはならず、労働者が自ら取得した場合にも、その時間分を5日から控除することはできません。