個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)

平成29年1月から、専業主婦、公務員の方を含め、基本的に60歳未満のすべての方が利用できるようになりました。

▶「確定拠出年金」は、公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金のひとつです。基礎年金、厚生年金保険と組み合わせることで、より豊かな老後生活を実現することが可能となります。
▶ 確定拠出年金の仕組みは、掛金を定めて事業主や加入者が拠出し、加入者自らが運用し、掛金とその運用益との合計額をもとに給付額が決定されるというもので、事業主が実施する「企業型確定拠出年金」と、個人で加入する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」があります。

3つの税制優遇措置iDeCo のメリット
①掛金が全額所得控除されます
②運用益も非課税で再投資されます
③受け取るときも税制優遇措置があります
▶ iDeCoの加入者は、これまで自営業者の方などに限られていましたが、平成29年1月からは、企業年金を実施している企業にお勤めの方や公務員、専業主婦の方を含め、基本的にすべての方が加入できるようになります。加えて、転職したときなどの積立資産の持ち運び(ポータビリティ)も拡充し、より使いやすい仕組みになります。

36協定  時間外・休日労働に関する協定届

1どんな場合に協定の締結と届出が必要なのか。
法定の労働時間を超えて労働(法定時間外労働)させる場合、又は、法定の休日に労働(法定休日労働)させる場合には、あらかじめ労使で書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要です。この協定のことを労働基準法第36条に規定されていることから、通称「36協定」といいます。
法定労働時間とは、1日8時間、1週40時間(特例措置対象事業場については44時間)と定められていますが、変形労働時間制を採用する場合を除いて、この時間を超えて労働させる場合は時間外労働となります。
また、法定休日とは1週間に1日の休日(変形休日制を採用する場合は4週4日)と定められておりますが、この休日に労働させる場合は休日労働となります。

2「36協定」の締結と届出
協定の締結単位
36協定は、事業場単位で締結し届け出る必要があります。1つの会社で別々の場所に工場・支店などがある場合は、通常はその工場・支店などがそれぞれ1つの事業場になりますので工場・支店などごとに36協定を締結し、それぞれの所在地を管轄する労働基準監督署長(以下、「所轄労働基準監督署長」という。)に届け出る必要があります。

傷病手当金

退職後の傷病手当金の調整
退職後の期間に受給する傷病手当金の支給額の調整は在職中の期間に受給する傷病手当金の支給額の調整とは違い、老齢年金との調整が加わることになります。退職後の期間の傷病手当金と調整される他の給付についてまとめると次の2つになります。
①退職後、老齢厚生年金や老齢基礎年金又は退職共済年金などを受けている場合
②同一の傷病により障害厚生年金を受けている場合
これらの年金の給付を受けている場合には傷病手当金の支給額が調整されることになります。
【傷病手当金の支給日額と年金日額を比較する】
傷病手当金の支給日額と年金の日額を比較します。比較した結果、傷病手当金の支給日額の方が高い場合には年金日額との差額分が一日につき支給され、逆に年金日額の方が高い場合には傷病手当金は支給されません。調整されるのはあくまでも傷病手当金の方であり、年金については支給額が調整されることはありません。

10年短縮年金の請求手続き

(保険料納付済期間+保険料免除期間+カラ期間≧10年)
1.請求書
10年短縮年金は、平成29年8月1日に施行されますが、「ご自身の年金加入期間が10年以上25年未満あり、年金受給開始年齢に達している方」に対して、 平成29年3月以降に年齢の高い方から順番に5回に分けて、日本年金機構等から「短縮年金請求書」が送付されます。(新規受給対象者約64万人)
送付されてきた「短縮年金請求書」は新制度施行の8月を待つことなく、事前に提出できます。「短縮年金請求書」に必要事項を記入して、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターに提出をします。ただし、年金の権利が発生するのは8月1日で、翌9月分の支給は10月ですので、ご注意ください。
【ポイント】
①請求書が届いたら、H29年8月の施行日を待たずに事前請求する。
②合算対象期間(カラ期間)に関する申立書に記載する内容を、正確に確認する。
③短縮請求書が届いた人も、現行の制度(原則25年)で受給できないか確認する。

2.合算対象期間(カラ期間)の確認
短縮請求書が届いた人(10年以上25年未満)も、請求書が届かない人(10年未満)も、カラ期間の確認が以前よりいっそう重要となります。
【カラ期間の代表例】
厚生年金保険、船員保険及び共済組合の加入者の配偶者で国民年金に任意加入しなかった期間(昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間)
《改正前》
厚生年金に9年加入していたが、その後は国民年金に未加入
→年金が受給できるには、カラ期間が16年以上必要。

《改正後》
厚生年金に9年加入していたが、その後は国民年金に未加入
→年金が受給できるには、カラ期間が1年以上必要。

社会保険加入の週20時間

Q.パートの社会保険加入に必要な週20時間の計算は「所定労働時間」によるはずです。
契約当初、予想していなかった時間外労働により20時間を超えた場合、被保険者資格の取扱いはどうなるのでしょうか。 

A.3ヵ月目に資格取得も
健康保険法3条では、被保険者から除外する者として、1週間の所定労働時間が20時間未満であることとしています。所定外の勤務が続き、残業代が当初の見込みを大幅に超えた場合について、被保険者資格を取得した際の標準報酬月額を訂正できるかどうかは、固定的賃金の算定誤り等があった場合に訂正を行うことはできるが、残業代のような非固定的賃金については訂正できないと考えられています。
所定労働時間と被保険者資格の取得自体の関係に関しては、就労の形態等個々具体的事例に則して判断すべきなどその取扱いははっきりとしていなかったところ、法改正に伴う厚生労働省Q&Aでは、「実際の労働時間が連続する2ヵ月において週20時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いているまたは続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3ヵ月目の初日に被保険者の資格を取得する」とされています。

事業場内みなし労働時間制

Q:外勤中心の営業部門について事業場外労働のみなし労働時間制を採用している会社があります。担当社員には業務用の携帯電話を貸与し勤務の開始と終了が把握できるので、みなし労働時間制は使えないのではないでしょうか?

A:時間の把握が無理なら可能
事業場外労働でみなし労働時間制を採用できるのは、労働時間を「算定し難いとき」に該当することが要件で、社外で随時使用者の指示を受けて動くような場合は適用できません(昭和62年1月1日基発1号)。
当該通達はポケットベル等が利用されていた時代のもので、使用者が随時外勤の労働者に指示を出し、労働時間を把握するケースは多くありませんでした。その後携帯電話の普及で把握が容易になり、社員に携帯電話を貸与する会社がみなし労働時間制を認められなかった裁判例も出てきました。
もっとも携帯電話を貸与しているからみなし労働時間制が採用できないということではなく、あくまで実質的に労働時間の把握ができるか否かが判断の分かれ目になると考えられます。

従業員間のトラブル 会社の責任は

イジメあるいは上下があればパワハラ等々に受け取れる状況ではなかったのか確認する必要があります。こういった状況(イジメ等で被害者が自殺等に至った場合の事例ですが)で、裁判となった場合、「使用者・事業者に対して」使用者責任・安全配慮義務違反・不法作為責任を負うとする判例があります。→川崎市水道局(いじめ自殺)事件・横浜地裁川崎支部判決H14.6.27二審・東京高裁判決H15.3.25
→誠昇会北本共済病院事件・さいたま地裁判決H16.9.24  等々。

労働保険年度更新

 労働保険の保険料は、年度当初に概算で申告・納付し翌年度の当初に確定申告の上精算することになっており、事業主の皆様には、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付していただくこととしています。
 これを、「年度更新」といい、原則として例年6月1日から7月10日までの間にこの手続を行っていただきます。
また、石綿健康被害救済法に基づく一般拠出金も、年度更新の際に労働保険料と併せて申告・納付することとなっております。
事務組合経由で加入している事業所は4月中に手続きをいたします。
手続きでお困りの方は、ご連絡ください。

「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」中間報告(平成28年12月16日)

我が国では、産業別労働協約ではなく、企業別の労働条件設定が中心。雇用流動性もそれほど高くない。これらの移行・改革も長期的には必要。
⇒できるだけ早期に待遇改善を実現させるためには、次の3つが柱としています。
①正規・非正規社員両方の賃金決定ルール・基準の明確化
②職務や能力等と賃金など待遇水準との関係性の明確化
③能力開発機会の均等・均衡による一人ひとりの生産性向上

ガイドラインの位置づけ/民間(労使)の取組等
◆ 本来は、賃金決定は民間(労使)に委ねるべき。本検討会では、ガイドライン「案」は、第一義的には現行法解釈の明確化と位置付け。ガイドラインの制定・発効には、適切な検討プロセスを経ることが望ましい。
◆ ガイドラインが待遇改善に役立つためには、民間(労使)による積極的な取り組みが不可欠。賃金決定を客観化・透明化し、正規・非正規間を比較可能にすることが重要。
◆ 民間(労使)の取組が十分出来ていないと、職務分離などの副作用や企業経営への過度な影響のおそれ。ガイドラインの制定・発効には過不足のない時間軸の確保が重要と同時に、民間の積極的な取り組みを促す方策も必要。
◆ 具体的取組は、手当を優先的に。(比較的決まり方が明確。職務内容等に直接関連しない手当に関しては、比較的早期の見直しが有効かつ可能)
◆ 基本給部分は、段階を踏んだ取組が必要。(決まり方が複雑。賃金表の作成等を通じ、決まり方の明確化、比較可能にすること等が必要。)
◆ 企業規模や歴史的経緯、非正規社員比率など企業の実情に合わせた丁寧な対応が必要。
◆ 労働者派遣については、まず派遣元内の待遇差の是正が必要派遣先社員との均等・均衡待遇は、丁寧な制度設計が必要。
◆ 待遇改善には、非正規社員のキャリア形成や能力開発が重要、生産性向上等を通じた待遇改善の視点を取り入れていくべき。

平成29年4月1日新設助成金 人事評価改善等助成金

人事評価改善等助成金
~平成29年4月1日新設いたしました~
概要
 生産性向上に資する人事評価制度と賃金制度を整備することを通じて、生産性の向上、賃金アップ及び離職率の低下を図る事業主に対して助成するものであり、人材不足を解消することを目的としています。
主な受給要件
 受給するためには、事業主が、次の措置を実施することが必要です。
 1.制度整備助成
   (1)人事評価制度等整備計画の認定
     人事評価制度等整備計画を作成し、管轄の労働局の認定を受けること。
   (2)人事評価制度等の整備・実施
     (1)の人事評価制度等整備計画に基づき、制度を整備し、実際に正規労働者等に実施すること。

 2.目標達成助成
   (1)生産性の向上
     人事評価制度等の実施日の翌日から起算して1年を経過する日において、「生産性要件」をみたしていること。
   (2)賃金の増加
     1の人事評価制度等の整備・実施の結果、人事評価制度等の実施日の属する月の前月に支払われた賃金の額と比較して、その1年後に支払われる賃金の額が、2%以上増     加していること。
   (3)離職率の低下
     1の人事評価制度等の整備・実施の結果、人事評価制度等の実施日の翌日から1年を経過するまでの期間の離職率が、人事評価制度等整備計画を提出する前1年間の離職     率よりも、目標値以上に低下させること。
      ※低下させる離職率の目標値は対象事業所における雇用保険一般被保険者数に応じて変わります。
      このほかにも、雇用関係助成金共通の要件などいくつかの受給要件があります。