解雇に不満な労働者

『失業と処理すべきか ~解雇に不満な労働者』 

Q.解雇された本人が無効と思っても、ハローワークで失業給付の手続きをすると解雇を認めたことになるのでしょうか。手続きに関しどう考えるべきでしょうか。
  
A.争いながら給付受給可
失業後に基本手当を受給するには、ハローワークに離職票の提出が必要です。従業員が離職票を受け取ったからといって、解雇を認めたことにはなりません。
解雇の効力等について争いがある場合、「条件付給付」を受けることが可能です。「単なる効力の疑い、解雇不服、争議等の事実上の争いがあるに過ぎない場合には認められない」とされていて、給付手続きの際は、実際に争っていることが分かる添付資料が必要と解されています。
離職証明書および離職票の欄外に、解雇不当を申立て、提訴、申告中であるが、基本手当の支給を受けたいので、資格喪失の確認を請求する旨記載し、署名押印または自筆署名することが必要としています。なお、求職活動実績の基準は適用されず、失業等給付は、基本手当と傷病手当に限られます。

働き方改革関連法本格施行 平成31年4月

昨年7月6日に公布された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が、この4月1日から本格的に施行されます。
主な施行内容を改めて整理すると、以下のとおり。
①罰則付きの時間外労働の上限規制
②年次有給休暇(年5日)の時季指定付与義務
③フレックスタイム制の清算期間の見直し
④高度プロフェッショナル制度の創設
⑤勤務間インターバル制度(事業主の努力義務)
⑥産業医の活動環境の整備
⑦長時間労働者等に対する医師の面接指導の対象拡大
⑧労働時間の状況の把握義務
⑨労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの規制
このうち、時間外労働の上限規制については、大企業にのみ適用され、中小企業は1年の猶予期間がある。

キャリアアップ助成金(諸手当共通化コース)

助成額は、1事業所当たり 38万円です。

① 労働協約又は就業規則の定めるところにより、その雇用する有期契約労働者等に関して、正規雇用労 働者と共通の次の(1)から(11)のいずれかの諸手当制度を新たに設けた事業主であること。
(1) 賞与 一般的に労働者の勤務成績に応じて定期又は臨時に支給される手当(いわゆるボーナス)
(2) 役職手当 管理職等、管理・監督ないしこれに準ずる職制上の責任のある労働者に対し、役割や責任の重さ等に応じて支給される手当
(3) 特殊作業手当・特殊勤務手当 著しく危険、不快、不健康又は困難な勤務その他の著しく特殊な勤務に従事する労働者に対し、その勤務の特殊性に応じ て支給される手当(人事院規則9-30(特殊勤務手当)に規定する特殊勤務手当に相当するもの等)
(4) 精皆勤手当 労働者の出勤奨励を目的として、事業主が決めた出勤成績を満たしている場合に支給される手当
(5) 食事手当 勤務時間内における食費支出を補助することを目的として支給される手当
(6) 単身赴任手当 勤務する事業所の異動、住居の移転、父母の疾病その他やむを得ない事情により、同居していた扶養親族と別居すること となった労働者に対し、異動前の住居又は事業所と異動後の住居又は事業所との間の距離等に応じて支給される手当
(7) 地域手当 複数の地域に事業所を有する場合に、特定地域に所在する事業所に勤務する労働者に対し、勤務地の物価や生活様式 の地域差等に応じて支給される手当
(8) 家族手当 扶養親族のある労働者に対して、扶養親族の続柄や人数等に応じて支給される手当(扶養している子どもの数や教育に要 する費用に応じて支給される子女教育手当を含む。)
(9) 住宅手当 自ら居住するための住宅(貸間を含む。)又は単身赴任する者で扶養親族が居住するための住宅を借り受け又は所有して いる労働者に対し、支払っている家賃等に応じて支給される手当
(10) 時間外労働手当 労働者に対して、労働基準法(昭和22年法律第49号)第37条第1項に基づき法定労働時間を超えた労働時間に対する 割増賃金として支給される手当
(11) 深夜・休日労働手当 労働者に対して、労働基準法第37条第1項に基づき休日の労働に対する割増賃金として支給される手当又は同条第4項 に基づき午後10時から午前5時までの労働に対する割増賃金として支給される手当 ※1 諸手当の名称が一致していない場合でも、手当の趣旨・目的から判断して実質的に(1)から(11)までに該当していれば要件を満たすものと する。 ※2 現金支給された場合に限る。(クーポン等により支給された場合は対象外)
② ①の諸手当制度に基づき、対象労働者1人当たり次の(1)から(3)までのいずれかに該当し、6か月分の 賃金を支給した事業主であること。 (1) ①(1)については、6か月分相当として50,000円以上支給した事業主 (2) ①(2)から(9)までについては、1か月分相当として1つの手当につき3,000円以上支給した事業主 (3) ①(10)または(11)については、割増率を法定割合の下限に5%以上加算して支給した事業主
以上

就業規則変更の意見聴取

▼有期から代表選出か 就業規則変更の意見聴取
Q パートやアルバイトの所定労働時間は、正社員と同じ人もいれば短い人もいます。共に有期契約であり就業規則は共通です。就業規則変更時は、有期でまとめて意見を聴けばいいのでしょうか。
A 短時間パートも意見反映を
 パートや有期雇用労働者の就業規則を変更する際も、事業場の過半数で組織する労組等の意見を聴く必要があります。これに加えて、パートの過半数を代表するものの意見を聴くのが望ましいとされています(パート法7条1項)。この対象に有期雇用労働者が加わりました(2項、施行は2020年4月、中小企業は2021年)。それぞれに係る事項について就業規則を変更する場合です。
 現在パート法の適用があるのは、通常の労働者(正社員など)より所定労働時間が短い者です。所定労働時間が同じパートは対象に含みません。
 パートらは有期雇用なので、その中から代表者を選べば、今後は法7条2項の要件を満たします。しかし、パートらのうち、所定労働時間が短い者はその一部で、その過半数代表者(法7条1項)が、有期の過半数代表者(2項)と一致するとは限りません。パートの代表者からも意見聴取が望ましいでしょう。

定年後の再雇用に伴う労働条件の低下

定年後の再雇用は、新たな労働契約の締結であり、賃金額をどのように約定するかは自由でありそれが従前の賃金額と比較して低下したとしても労働基準法違反という問題は通常生じません。ただし、定年前の契約が無期雇用契約であり、定年後の嘱託契約が有期雇用である場合には、労働契約法第20条の問題が生じることとなります。平成30年6月1日の「長澤運輸事件」の最高裁判所判例をみると、一般論として、再雇用後の業務内容や責任の程度及び異動の範囲等に定年前との相違がない場合であっても定年後の再雇用は労働契約法第20条の「その他の事情」に該当するものとして、賃金の低下も不合理なものではないものとされていますが、賃金項目を個別に判断して合理性を判断すべきものとされていることから、賃金の低下の幅や手当項目によっては、賃金の低下や手当の不支給が不合理と判断される可能性があることにも留意しなければなりません。

残業代増加を懸念 ~週休3日制の採用で ⇒1か月単位の変形労働時間制

『残業代増加を懸念 ~週休3日制の採用で』 
Q.家族の介護をしている社員が増えていることに鑑み、週4日勤務すなわち「週休3日制」を採用する提案が出されました。ワーク・ライフ・バランスを考えても、それなりにメリットがあると思われますが、休みが増える分1日当たりの労働時間が増えることになるため、残業代がかさむ可能性があるなど懸念もあります。良い方法はないでしょうか。
A.変形労働時間を活用できる
1週間の総労働時間が40時間以内でも1日の労働時間が8時間を超えると、割増賃金が発生します。所定の労働日と労働時間を「週5日1日8時間」から「週4日1日10時間」にすると、  毎労働日ごとに発生することになります。
週休3日制と合わせて1ヵ月単位の変形労働時間制を導入する企業も増えています。1ヵ月を平均して週の労働時間が法定の範囲内なら、労使協定で定めた「変形期間」は、1日8時間を超えても協定で定めた所定労働時間まで割増賃金が発生しない点を活用したものです。
本来この制度は月内で繁閑がある業務を想定していました。変形労働時間制と合わせて週休3日制を採用する場合、総労働時間は増加しなくても毎日の所定労働時間が8時間を超えることになり得るので、労働者の健康面等には留意しておいたほうが良いでしょう。

パワハラ措置義務、大企業2020年、中小企業2022年施行へ

厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会(分科会長=奥宮京子・弁護士)は2月14日、職場のパワーハラスメントに関して事業主に雇用管理上の措置義務を設ける労働施策総合推進法の一部改正等を盛り込んだ法律案要綱をおおむね妥当と認め、労政審の答申とした。同省は今通常国会に法律案を提出する方針で、施行は公布日から1年以内の政令で定める日。中小企業に対しては公布日から3年以内の政令で定める日まで努力義務とする経過措置を設ける。
新たに事業主に求められるのは、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、その雇用する労働者の就業環境が害されること(職場のパワーハラスメント)のないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備。具体的な措置の内容等については、法律案成立後に検討される指針で示される予定だ。このほか、労働者が相談等を行ったことを理由とする不利益取扱いの禁止や、紛争解決の援助および調停制度、助言・指導等の履行確保措置も法制化する。
セクシャルハラスメントにかかる男女雇用機会均等法も改正し、労働者が相談等を行ったこと等を理由とする不利益取扱いを禁止する。他社の従業員からセクハラを受けた場合など、他の事業主から雇用管理上の措置の実施に関して必要な協力を求められた場合に応じるよう努める義務も課す。なお、不利益取扱いの禁止の規定は、妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメント(マタニティーハラスメント)にも適用するため、育児介護休業法も改正する。施行は公布日から1年以内の政令で定める日の予定だ。