歩合給の割増賃金計算

具体的計算例

(試算前提条件)

基本給170,000円 歩合給100,000円 合計270,000円であり、

所定労働時間数170時間 総労働時間数200時間(内残業30時間)とします。

(計算)

(基本給170,000円÷170時間×1.25+歩合給100,000円÷200時間×0.25(注))×30時間=41,250円

「出来高払い制その他の請負制によって賃金が定められている場合については、時間外の労働に対する時間当たり賃金、すなわち1.0に該当する部分は、すでに基礎となった賃金総額のなかに含められていますので、加給すべき賃金額は、計算額の2割5分以上であれば足りることになります。」(昭23.11.25 基収第3052号)

選択定年で無期転換は 5年超の期間に含むか

Q.当社では、定年を65歳とする一方、60歳以上の自己都合退職でも退職金を満額支給するなど選択定年の仕組みを採用しています。仮に61歳で退職して再雇用されたとき、定年後の有期雇用契約期間とみなされず5年超で無期転換権が発生するのでしょうか。
A.継続雇用制度にもチェック
高年法では、定年は、60歳を下回ることができないと規定しています。ただし、高年齢者が従事することが困難であると認められる業務はこの限りでないとしていて、鉱業法の坑内作業の業務が定められています。
無期転換権は、有期の労働契約を反復更新するなど期間を通算して5年超に達したときに、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約に転換するというものです。例外があり、労働局の認定を受けることで、高度専門職や定年後その事業主(グループ会社含む)に引き続いて雇用  される期間は無期転換権が発生しないという特例があります。
ご質問の件は、第二種計画認定申請書の定年の引上げの欄のほか、継続雇用制度の導入の欄にもチェックを入れる必要があります。選択定年を選択し、61歳から期間雇用に転換した人についても、無期転換権の発生を回避できます。

働き方改革 労違法残業で相次ぎ運輸業送検 協定守らず120時間超

労違法残業で相次ぎ運輸業送検 協定守らず120時間超 厚木労基署
 神奈川・厚木労働基準監督署は、違法な長時間労働を繰り返していた運輸業2社を相次いで司法処分した。36協定を超えて時間外・休日労働を行わせたとしてトラック運送業のダイワ運輸㈱(兵庫県神戸市)と当時の厚木営業所長代理を、別件で路線バス事業の神奈川中央交通東㈱(神奈川県平塚市)と同社大和営業所長をそれぞれ労働基準法第32条(労働時間)違反などの疑いで横浜地検に書類送検している。いずれも時間外・休日労働が最長で月120時間に上っており、複数回にわたって是正指導したにもかかわらず、人手不足から改善を怠っていた。
 ダイワ運輸の36協定は、「時間外労働1日7時間、1カ月93時間、2週間に1回の休日労働可能」との内容で締結していた。令和元年5~10月の6カ月間、労働者1人に対して休日労働を含め最長120時間の時間外労働を行わせた疑いがある。労働者は関西、群馬方面へ雑貨の運送を担当しているドライバーだった。
 期間中、1日の最長の総労働時間は、所定の8時間に加え、36協定で締結していた限度の7時間、さらに超過した6時間を含め合計で21時間に及んでいた。休日労働は最多で月3回、実質的に休日が1日しかない月もあった。
 「自動車運転者の労働時間などの改善のための基準(改善基準告示)」では、1日の拘束時間を13時間以内、労使協定で延長する場合であっても16時間を限度としている。ダイワ運輸では、改善基準告示にも違反していたとみられている。
 神奈中東では、時間外労働1カ月85時間で36協定を締結していた。平成30年7~9月、路線バス運転士1人に対して最長で月35時間を超過し、計120時間の時間外労働を行わせた疑いで送検している。立件期間はとくに労働時間の長かった3カ月間を対象とした一方、「3カ月間で常にこの運転士が(事業所内で)最長の残業時間だったわけではない」などと同労基署は話している。
 両社には複数回にわたり是正指導をしていたが、改善がみられなかったため送検に至った。違反の背景として、恒常的に人員を上回る仕事量が生じていたことを挙げている。

定年後の健診は? 高齢者へ実施必要か

『定年後の健診は? 高齢者へ実施必要か』
Q.定期健康診断の実施義務ですが、定年までとして良いのでしょうか。それともパート労働者の要件を当てはめて考えれば良いのでしょうか。
A.4分の3要件該当なら行う
定年後は65歳まで安定した雇用を確保する必要があり、継続雇用制度など期間を定めて雇用する形が広く採られています。
健診の実施義務に関して、従前示されていた「常時使用する短時間労働者」の解釈は、パート法に有期雇用労働者も含まれたことにより、「常時使用する短時間・有期雇用労働者」に文言が置き換わっています。しかし、対象者はもともと、契約期間が原則1年以上である者ならびに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者および1年以上引き続き使用されている者でした。対象となる有期雇用労働者の範囲に変更はありません。「引き続き使用」の意義は、  年休の継続勤務の趣旨に留意するとしていて、契約更新時等に多少の空白があっても問題ありません。
実施義務があるのは、さらに同種の業務に従事する通常労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上の要件を満たす場合です。2分の1以上の場合は実施が望ましいという扱いです。

労務管理 雇用保険給付

▼引き続き支給されるか 60歳代前半の雇用 前職で継続給付を受給
Q: 即戦力となる人材を募集していたところ、60歳代前半ですが、経験豊富な方が応募してこられました。経営層は、「高年齢雇用継続給付を受給するという前提で、労働条件を決定したい」といいます。この方は、前職で勤務中に継続給付を受けていたということですが、当社勤務後、さらに申請が可能なのでしょうか。

A:離職時点に5年など要件
 この方は、前職の会社で、定年後に嘱託再雇用され、雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金を受給されていたというお話です。退職後、求職活動を経て、貴社での採用がほぼ決まりかけている状況のようですが、高年齢雇用継続給付の要件を確認しましょう。
 転職ですから、高年齢再就職給付金(雇保法61条の2)の申請となる可能性が高いですが、同給付金の要件は次のとおりです。
①基本手当の支給を受けた後、60歳到達時以後に1年超の雇用が確実な就職により被保険者(基本手当の受給期間内に資格取得)となった
②前職以前の「被保険者だった期間」が5年以上ある
③基本手当の支給残日数が100日以上ある
④今回就職時に再就職手当の支給を受けていない
 ①③④は問題ないとして、心配されているのは②の要件でしょう。
 この方は、前職勤務中に高年齢雇用継続基本給付金を受けていたのですから、60歳到達の時点で「被保険者だった期間」が5年以上あったはずです。それから60歳到達後も前職を離職するまでは「被保険者だった期間」だったわけですが、その間は基本給付金を受給しています。この場合、貴社に入社後、再就職手当の受給資格の有無をみる際、前職での「60歳到達までの期間」「60歳から離職するまでの期間」は、どのようにカウントされるのでしょうか。
 この点について、雇用保険業務取扱要領では「60歳到達時から離職するまでの間に『基本給付金の支給を受けていた者』についても、所要の要件に該当すれば再就職給付金の受給資格者となり得る」と説明しています。給付金を受けていた期間等も含め、前職の離職時点で「被保険者だった期間」を確認し、5年以上あれば前記②の要件を満たすと判断されます。

働き方改革 在宅勤務

『在宅も被保険者か 新規採用時の留意点』
Q.従業員の在宅勤務を一部認めていますが、これから募集採用する従業員も可能とします。週20時間などをクリアすれば当然雇用保険の被保険者と考えていますが、当面は出社させずにすべて在宅勤務とする場合に何か留意点はあるでしょうか。

A.「常時」なら実態証明を
現在雇用保険に加入している従業員が、週の一部を在宅で勤務したときでも通常被保険者資格は継続します。仮に、臨時的・一時的に週20時間未満となる場合も原則継続という扱いです。
雇保法では、そもそも適用事業に雇用される労働者を被保険者としています。労働者性の判断を必要とする者の中に「在宅勤務者」が挙げられています。労働日の「全部またはその大部分」について事業所への出勤を免除され、かつ、自己の住所または居所において勤務することを常と  する者をいうとしています。事業所勤務労働者との同一性が確認できれば被保険者となり得るとしていて、その確認に在宅勤務雇用実態証明書が必要になる場合があります。

働き方改革 事業場ごとの36協定締結を怠り 月100時間残業

事業場ごとの36協定締結を怠り 月100時間残業 名古屋南労基署
愛知・名古屋南労働基準監督署は、36協定(時間外・休日労働に関する協定)を届け出ずに違法な時間外労働を行わせたとして、青果加工業の㈱アイズ(愛知県名古屋市)と同社専務取締役を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで名古屋地検に書類送検した。企業全体では36協定を締結していたが、事業場ごとの締結を怠っていた。
 同社は平成30年9月中旬~10月初旬の3週間、労働者1人に対して違法な時間外労働を行わせた疑い。時間外労働は最長で月100時間を超えていた。
 同労基署によると、現在は事業場ごとに36協定を締結しているという。

働きから改革 副業

『賃金合算どうなる 病気で副業先を退職』
Q.副業・兼業する場合の労災補償では、病気で一方の会社をすでに退職している場合、複数事業場の賃金を合算するというメリットは受けられないのでしょうか。

A.事由発生前3カ月みる
新設の労災法8条3項(令和2年9月1日施行)では、(1)複数事業労働者の業務上の事由、(2)複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由または(3)通勤による負傷等における保険給付の給付基礎日額は、事業ごとに合算とあります。
通常は、傷病等の発生日または診断により疾病の発生が確定した日を算定事由発生日とし、以前3カ月間の平均賃金額を算定します。賃金締切日があるときは直近の賃金締切日から起算します。
複数事業労働者とは、事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者ですが、保険給付の対象には、複数事業労働者に「類する者」も含みます。これは負傷等の原因または要因となる事由が生じた時点で2以上の事業に同時に使用されていた労働者をいい、算定事由発生日に2以上の事業に使用されていない者が該当します。
厚労省「複数事業労働者への労災保険給付 わかりやすい解説」では、傷病等の原因または要因となる事由が生じた時期に複数就業していれば制度改正の対象となるとしています。

36協定なく違法残業 再三の督促にも応じず 運送業者を送検 八王子労基署町田支署

 東京・八王子労働基準監督署町田支署は、36協定(時間外・休日労働に関する協定)を締結せずに違法な時間外労働を行わせたとして、明豊物流㈱(東京都町田市)と当時部長だった同社代表取締役を、労働基準法32条(労働時間)違反の疑いで東京地検立川支部に書類送検した。平成28~29年にかけて、36協定を締結するよう是正指導したうえで督促をし続けていたにもかかわらず、同社が提出しなかったため送検に踏み切った。
 同社は29年10~11月、労働者1人に対し週15~20時間、月60時間以上の時間外労働を行わせていた疑い。36協定を締結していたとしても、違法となる長時間労働を行わせていた労働者を立件対象とした。労働者の時間外労働時間は同社で最長だったが、その他の労働者らにも時間外労働は行わせていた。
 同労基署によると、違反の理由として業務が多忙で先延ばしにし続けていたことを挙げているという。「以前は36協定を提出していたことがあり、法知識がないわけではなかった。36協定の期限が切れてから多忙を理由に提出を放置していた」としている。
【令和2年7月31日送検】

休業手当 平均賃金

▼欠勤控除は反映するか? 低廉になる平均賃金 休業手当支払いにつき
Q: 店舗改装の関係で会社都合の休業日が発生しますが、できる限り本人同意のうえで、年休を当ててもらう予定です。ところが、メンタル不調気味で年休をすべて消化し、さらに出・欠勤を繰り返している従業員がいます。当社は、欠勤時には月給の22分の1を控除していて、休業手当の支払いのために平均賃金を計算すると非常に低い額になります。そのまま支払って問題ないのでしょうか。

A:しなかった場合で計算を
 使用者の責めによる休業の場合、平均賃金の6割以上の休業手当を支払います。この平均賃金は、事由発生日以前3カ月の賃金総額を総暦日数で除した金額を用いるのが原則です(労基法12条1項)。
 ただし、日給・時間給制、出来高払い制その他請負制による場合は、3カ月の賃金総額を実際に労働した日数で除した金額の60%が最低保障額となります(同項1号)。
 この最低保障額は、賃金の一部または全部が日給等によって定められている場合についてのみ規定したもので、欠勤控除のある日給月給制には適用できないと解されています。「欠勤日の賃金を控除するため、月給について日割計算を行うことは賃金自体の計算に関することであって、それがため当該月給を日によって定められた賃金とみなすことはできない」からです(昭27・5・10基収6054号)。
 しかし、だからといって欠勤控除のある賃金制度で、単純に賃金総額を暦日数で除して計算すると、平均賃金が著しく低額となるケースがあります。このため、前掲解釈例規では、「労基法12条8項によるべき」と述べています。8項では、賃金が著しく不適当な場合等については、「厚生労働大臣の定めるところによる」としています。
 具体的には、告示(昭24・4・11労働省告示5号)に基づき、次の解釈例規が示されています(昭30・5・24基収1619号)。
 日給月給制(賃金が月によって定められ、かつ、その期間中の欠勤日数・時間数に応じて減額される制度)の場合、「欠勤しなかった場合に受けるべき賃金の総額をその期間の所定労働日数で除した額の60%」が最低限度となります。総額を暦日数で除した額が前記により計算した金額に満たないときは、この金額を平均賃金として休業手当を算定します。