転換後すぐに年休か 正社員は斉一的取扱い

Q.パートを正社員転換します。年次有給休暇の基準日は、正社員は斉一的取扱いをする一方、パートは法律どおりです。同労働者は先日付与したばかりですが、転換後すぐに斉一的取扱いの基準日を迎えても、付与するのでしょうか。

A.切上げ方式で付与必要
年休は、雇入れから6カ月後を基準日として付与され、以後1年おきに与えられます。入社日が違えば基準日も異なり管理が煩雑なため、一律の基準日を定め付与する斉一的取扱いが認められています。
導入は切上げ方式で行います。8割出勤の要件では、短縮された期間は全期間出勤したとみなします。次年度以降の付与日については、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じか、またはそれ以上の期間、法定の基準日から繰り上げます。
導入すると、入社日~斉一的取扱いをした基準日までの長短が考慮されない結果を招きますが、斉一的取扱いをする以上やむを得ないものと考えられるとしています。
パートから正社員転換しても勤続年数とすでに付与された年休の日数は引き継ぎますが、ご質問の場合、転換後すぐに正社員としての基準日を迎えたとしても、付与することが必要といえます。

働き方改革 65歳定年

賃金体系継続し65歳定年へ 調整進め24年から 村田製作所
㈱村田製作所(京都府長岡京市)は、2024年4月から65歳定年制へ移行することを決めた。今春の労使交渉を経て労働組合と合意したもので、59歳以前の賃金体系は継続適用しつつも、65歳まで貢献度・役割発揮に応じた処遇を継続する。定年延長後の賃金カーブのあり方なども含めて、制度移行までに労使間で関連する人事諸制度の調整を図るとした。選択定年制を併用して個人のキャリア選択を尊重する一方、すでに定年を迎えて再雇用している嘱託シニア社員の処遇も引き上げる。
65歳への定年延長については、昨春の労使交渉において会社側から提案していた。今春の労使交渉を経て、2024年4月1日からの導入を労使間で合意した。今後は制度移行に向けて、関連する人事諸制度の調整を進める。
処遇面については、59歳以前の賃金体系を60歳以降も継続的に適用する。現在の定年年齢である60歳の前後で、接続性のある制度を確立する。
評価制度についてはとくに見直す予定がなく、60歳以降も現在と同様の仕組みを用いる。現行の定年60歳を超えても、引き続き貢献度と役割発揮に応じて処遇する。
一息に定年年齢を60歳から65歳まで引き上げるため、直近の定年到達者には一定の調整措置を適用する。移行時点ですでに再雇用している60~64歳の嘱託シニア社員に対しては、既存の処遇水準を引き上げることとしている。
65歳定年制への移行は、親会社である同社のほか、まずは㈱福井村田製作所、㈱出雲村田製作所などの国内主要関係会社で開始する。24年春の制度移行に向けて、引き続き労組と協議を進めていく予定だ。将来的には、グループ全体での65歳定年制導入をめざすとしている。

働き方改革 いじめ・いらがらせ相談

いじめ・いらがらせ相談9%増 民事上の個別労働紛争 厚労省
厚生労働省は、令和3年度の個別労働紛争解決制度の実施状況をまとめた。民事上の個別労働紛争の相談が増加しており、相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が10年連続でトップになっている。
法制度の問合せも含め、全国の「総合労働相談コーナー」に寄せられた労働相談は124万2579件で、前年度比3.7%減少。このうち民事上の個別労働紛争は28万4139件で、同1.9%増加した。
都道府県労働局長が行う助言・指導の申出は同7.1%減の8484件、紛争調整委員会のあっせん委員が仲介するあっせん申請は同11.6%減の3760件だった。
紛争内容では、民事上の紛争の相談、助言・指導申出、あっせん申請のすべてで「いじめ・嫌がらせ」が最多。いじめ・嫌がらせ関連は、相談が同8.6%増の8万6034件で、相談全体の約4分の1を占めた。助言・指導申出は7.8%減の1689件、あっせん申請は7.1%減の1172件だった。

算定基礎届 随時改定編

『残業代のみで改定? 手当はプラマイゼロ』

Q.残業代が増えたため、標準報酬月額が2等級以上変動しそうです。これだけでは随時改定の対象とはなりませんが、たとえば、家族手当が増えて同時に基本給が減った結果、固定的賃金の増減は差し引きゼロのときに、改定を行うのでしょうか。

A.固定的賃金の増減なく不要
随時改定する場合として、いわゆる増額改定や減額改定と呼ばれるものがあります。固定的賃金の増減と、変動月から3カ月間の報酬の平均額をみたときに、増減の結果が同じでなければ改定は行いません。たとえば、固定的賃金と解されている通勤手当が減ったときに、非固定的賃金である残業代が増えて、現在の標準報酬月額よりも2等級上になっても改定しません。
改定の契機となるのは、固定的賃金が増額または減額する場合になります。日本年金機構は、プラスとマイナスが相殺され、固定的賃金の合計額に変化がないため随時改定の対象にならないとしています。なお、固定的賃金といってもいろいろなものが考えられ、複数の手当額の増減と報酬額の増減の関連が不明確ですと改定の対象になることもあり得ます。

1年単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制(労基法32条の4)は、1カ月を超え1年以内の期間を平均し週40時間を超えないことを条件に、業務の繁閑に応じ労働時間を配分することを認める制度です。1年間を通じて採用することもできれば、1年間の一定期間の時期のみ適用することも可能です。同制度を採用するためには、労使協定で、労働日、労働日ごとの労働時間を特定することなどが求められます。
 割増賃金が必要になるのは、1カ月単位の変形労働時間制と同様に次のとおりです(平6・1・4基発1号、平9・3・25基発195号)。
① 1日の所定労働時間を8時間超としている日はその時間、それ以外は8時間を超えた時間
② 1週の所定労働時間を40時間超としている週はその時間、それ以外は40時間を超えた時間(①の時間を除く)
③ 変形期間の法定枠を超えた時間(①②の時間を除く)

1日7時間と定めた日に1時間残業させても、①の8時間を超えないため割増賃金は不要となります。実際は、簡便にあらかじめ設定した日々の所定労働時間を超える時間に割増賃金を支払う企業は少なくないようです。
 労基法に基づき割増賃金が必要となるのは、前記①、②、③の時間を足した部分の時間です。したがって、①②は毎月、③は対象期間終了ごとに、支払期日が到来することになると解されています。
 ③の変形期間だけを考えて時間外労働を算定すると、仮に変形期間全体でみた場合には法定労働時間内であっても、1日または1週間でみた場合には時間外労働として扱う部分が出てくる可能性があります。対象期間だけではなく、1日、1週間についても時間外労働に該当するか否かを確認する必要があります。

社会保険加入要件の見直し 社保適用拡大の取扱い

企業規模要件「100人超」満たすか――厚労省・社保適用拡大の取扱い
 厚生労働省は、今年10月に施行される短時間労働者への健康保険・厚生年金保険の適用拡大について、日本年金機構に事務の取扱い上の留意点を通知するとともに、取扱いに関するQ&Aを明らかにした。今回の適用拡大では、短時間労働者の社会保険加入の企業規模要件を「常時100人超」に引き下げる。同通知などでは「常時100人超」について、同一法人事業所における厚生年金保険被保険者の総数が、1年間のうち6カ月以上100人を超えることが見込まれる場合を指すとした。
 週の所定労働時間が30時間未満の短時間労働者の社会保険加入については今年10月1日以降、対象となる企業規模が従来の「常時500人超」から「常時100人超」に拡大される。併せて、継続1年以上としていた労働者の雇用期間要件を廃止する。週の所定労働時間などが正社員の4分の3以上の労働者の場合と同様に、雇用期間が2カ月を超える見込みがあれば加入対象となる。
 厚労省が発出した通知などでは、適用拡大に伴う具体的な事務の取扱いを示した。
 新たな企業規模要件となる「常時100人超」については、事業主が同一である1または2以上の適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者総数が、1年間のうち6カ月間以上100人を超える場合に該当するとしている。70歳以上で健康保険のみ加入している労働者や、今回の適用拡大の対象になる短時間労働者を含めないとした。
 事業所が企業規模要件を満たす「特定適用事業所」に該当した場合は、本店または主な事業所から事務センターなどへ「該当届」を提出する必要がある。一方、令和3年10月~4年8月に、6カ月以上100人を超えたことが確認できた事業所には「該当通知書」を送付するため、事業所からの届け出は不要としている。
 被保険者総数が常時100人を超えなくなった場合は、引き続き特定適用事業所として取り扱う。ただし、被保険者の4分の3以上の同意を証明する書類を添えて事務センターなどへ届け出れば、特定適用事業所から外れることができるとした。
 加入要件の1つである「1週間の所定労働時間が20時間以上」については、就業規則や雇用契約書などで定められた所定労働時間が週20時間未満の場合でも該当するケースがあるとした。連続する2カ月に実際の労働時間が週20時間以上となり、引き続き同様の状態が続く場合は、実際の労働時間が20時間以上となった月の3カ月目の初日に被保険者資格を取得する。

ハラスメント相談窓口設置

Q.セクハラ、マタハラ、パワハラなどの対策として「相談窓口の設置」があります。一元的な窓口も可能だったはずですが、具体的にどういった規定になっているのでしょうか。

A.窓口に関する事項は、それぞれ指針で規定されています。
時系列としては、セクハラ、マタハラ、パワハラの順に定められました。各指針の窓口に関する事項を見比べてみると、その内容はほとんど同じであることに気が付きます。一元的な窓口に 関する事項ですが、それぞれの指針にあります。
パワハラ指針では、パワハラは、「セクハラ」「妊娠出産等に関するハラスメント」「育休等に関するハラスメント」その他のハラスメントと複合的に生じることも想定されるとしたうえで、「例えば、セクハラ等の相談窓口と一体的に、職場におけるパワハラの相談窓口を設置し、一元的に  相談に応じることのできる体制を整備することが望ましい」としています。

ハラスメントの相談窓口

Q.セクハラ、マタハラ、パワハラなどの対策として「相談窓口の設置」があります。一元的な窓口も可能だったはずですが、具体的にどういった規定になっているのでしょうか。

A.窓口に関する事項は、それぞれ指針で規定されています。
時系列としては、セクハラ、マタハラ、パワハラの順に定められました。各指針の窓口に関する事項を見比べてみると、その内容はほとんど同じであることに気が付きます。一元的な窓口に 関する事項ですが、それぞれの指針にあります。
パワハラ指針では、パワハラは、「セクハラ」「妊娠出産等に関するハラスメント」「育休等に関するハラスメント」その他のハラスメントと複合的に生じることも想定されるとしたうえで、「例えば、セクハラ等の相談窓口と一体的に、職場におけるパワハラの相談窓口を設置し、一元的に  相談に応じることのできる体制を整備することが望ましい」としています。

育児介護休業法改定

1賃金日額は再計算? パパ育休後に通常の育休
Q: 今月配偶者の妊娠が分かった従業員がおり、10月早々に出生時育児休業の対象者が現れそうです。当社は7月昇給です。10月に出生時育休を取得後、間を置き通常の育休を取った場合、休業開始前6カ月間の賃金の平均額が異なりますが、通常の育休取得時に再計算されますか。
A:2回目以降と扱い同じ額で
今年の10月から、子の出生後8週間以内に4週間まで取得できる出生時育児休業に対し、出生時育児休業給付金が支給されるようになります(改正雇保法61条の8)。支給額算定の基礎となる休業開始時賃金日額は、法61条の7の通常の育休と同様で、休業開始日の前日を離職日とみなし、失業時における基本手当の賃金日額と同じ方法で計算します。簡潔にいえば、休業開始前6カ月間の賃金総額を180で割ります。
支給要件となる被保険者期間の確認や、支給額決定に必要な休業開始時賃金月額証明書の提出などは、初回のみ行い、分割取得の2回目以降でこれらの手続きは不要となります(改正雇保則14条の2)。出生時育休を取得した際は、これが初回の休業に該当し、続く法61条の7の育休は2回目以降と扱われます(法61条の8第8項、厚労省パンフ)。通常の育休を取得した際に再計算はされないということになります。

育児介護休業法改正  産後パパ育休中の就業命令は?

Q.出生時育休(産後パパ育休)中の就業ですが、(1)会社から就業を命じることができるか、(2)従業員から就業の希望があれば必ず応じなければならないか、それぞれどのように考えればいいのでしょうか。

A.産後パパ育休中の就業は、まず従業員が、就業を申し出ることが契機となります。(1)は、申出を一方的に求めることはできないとしています。
労働者から、就業することができる日等の申出があったとき、事業主は「その申出の行われた範囲内で就業させることを希望する日等を提示」します。(2)ですが、事業主は「就業させることを希望しない場合はその旨」労働者に速やかに提示するとしていて、必ず就業させなければならないわけではないと解されます。