働きから改革 副業

『賃金合算どうなる 病気で副業先を退職』
Q.副業・兼業する場合の労災補償では、病気で一方の会社をすでに退職している場合、複数事業場の賃金を合算するというメリットは受けられないのでしょうか。

A.事由発生前3カ月みる
新設の労災法8条3項(令和2年9月1日施行)では、(1)複数事業労働者の業務上の事由、(2)複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由または(3)通勤による負傷等における保険給付の給付基礎日額は、事業ごとに合算とあります。
通常は、傷病等の発生日または診断により疾病の発生が確定した日を算定事由発生日とし、以前3カ月間の平均賃金額を算定します。賃金締切日があるときは直近の賃金締切日から起算します。
複数事業労働者とは、事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者ですが、保険給付の対象には、複数事業労働者に「類する者」も含みます。これは負傷等の原因または要因となる事由が生じた時点で2以上の事業に同時に使用されていた労働者をいい、算定事由発生日に2以上の事業に使用されていない者が該当します。
厚労省「複数事業労働者への労災保険給付 わかりやすい解説」では、傷病等の原因または要因となる事由が生じた時期に複数就業していれば制度改正の対象となるとしています。

36協定なく違法残業 再三の督促にも応じず 運送業者を送検 八王子労基署町田支署

 東京・八王子労働基準監督署町田支署は、36協定(時間外・休日労働に関する協定)を締結せずに違法な時間外労働を行わせたとして、明豊物流㈱(東京都町田市)と当時部長だった同社代表取締役を、労働基準法32条(労働時間)違反の疑いで東京地検立川支部に書類送検した。平成28~29年にかけて、36協定を締結するよう是正指導したうえで督促をし続けていたにもかかわらず、同社が提出しなかったため送検に踏み切った。
 同社は29年10~11月、労働者1人に対し週15~20時間、月60時間以上の時間外労働を行わせていた疑い。36協定を締結していたとしても、違法となる長時間労働を行わせていた労働者を立件対象とした。労働者の時間外労働時間は同社で最長だったが、その他の労働者らにも時間外労働は行わせていた。
 同労基署によると、違反の理由として業務が多忙で先延ばしにし続けていたことを挙げているという。「以前は36協定を提出していたことがあり、法知識がないわけではなかった。36協定の期限が切れてから多忙を理由に提出を放置していた」としている。
【令和2年7月31日送検】

休業手当 平均賃金

▼欠勤控除は反映するか? 低廉になる平均賃金 休業手当支払いにつき
Q: 店舗改装の関係で会社都合の休業日が発生しますが、できる限り本人同意のうえで、年休を当ててもらう予定です。ところが、メンタル不調気味で年休をすべて消化し、さらに出・欠勤を繰り返している従業員がいます。当社は、欠勤時には月給の22分の1を控除していて、休業手当の支払いのために平均賃金を計算すると非常に低い額になります。そのまま支払って問題ないのでしょうか。

A:しなかった場合で計算を
 使用者の責めによる休業の場合、平均賃金の6割以上の休業手当を支払います。この平均賃金は、事由発生日以前3カ月の賃金総額を総暦日数で除した金額を用いるのが原則です(労基法12条1項)。
 ただし、日給・時間給制、出来高払い制その他請負制による場合は、3カ月の賃金総額を実際に労働した日数で除した金額の60%が最低保障額となります(同項1号)。
 この最低保障額は、賃金の一部または全部が日給等によって定められている場合についてのみ規定したもので、欠勤控除のある日給月給制には適用できないと解されています。「欠勤日の賃金を控除するため、月給について日割計算を行うことは賃金自体の計算に関することであって、それがため当該月給を日によって定められた賃金とみなすことはできない」からです(昭27・5・10基収6054号)。
 しかし、だからといって欠勤控除のある賃金制度で、単純に賃金総額を暦日数で除して計算すると、平均賃金が著しく低額となるケースがあります。このため、前掲解釈例規では、「労基法12条8項によるべき」と述べています。8項では、賃金が著しく不適当な場合等については、「厚生労働大臣の定めるところによる」としています。
 具体的には、告示(昭24・4・11労働省告示5号)に基づき、次の解釈例規が示されています(昭30・5・24基収1619号)。
 日給月給制(賃金が月によって定められ、かつ、その期間中の欠勤日数・時間数に応じて減額される制度)の場合、「欠勤しなかった場合に受けるべき賃金の総額をその期間の所定労働日数で除した額の60%」が最低限度となります。総額を暦日数で除した額が前記により計算した金額に満たないときは、この金額を平均賃金として休業手当を算定します。

雇用調整助成金の特例措置等を12月末まで延長する

雇用調整助成金の特例措置等を延長します
 9月末に期限を迎える雇用調整助成金の特例措置、緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(以下「雇用調整助成金の特例措置等」という。)については、本年12月末まで延長します。

厚生労働省発表

雇用調整助成金 申請期限にご注意

判定基礎期間の初日が1月24日・5月31日までの申請期限は、特例により令和2年8月31日までです。
9月30日ではありませんのでご注意ください。

今後は日常の労務管理が重要になってきます。
労働時間管理
テレワーク
副業・兼業
休業手当 等々
お困りのことがありましたら、お問い合わせお願いいたします。

働き方 教育は重要

チェーンソー教育未実施で送検 伐木の下敷きになり労働者死亡 千葉労基署
 千葉労働基準監督署は特別教育を受けさせず、労働者にチェーンソー作業を行わせたとして、「吉澤造園」の名で造園業を営む個人事業主を労働安全衛生第59条(安全教育)違反の疑いで千葉地検に書類送検した。伐倒した木の下敷きになり、73歳の男性労働者が死亡する労働災害が発生している。
 労働災害は令和2年3月12日、千葉県市原市内の伐木作業現場で起きた。労働者がチェーンソーで立木を切ったところ、この立木にかかっていた木が頭部に激突した。労働者は救急搬送されたが、同日死亡が確認された。死因は頚椎損傷だった。
 労働安全衛生法はチェーンソーを用いた伐木作業に労働者を従事させる場合、特別教育を行わなければならないと定めている。個人事業主は労働者に特別教育を受講させておらず、個人事業主自身も受けたことがなかった。
 伐木した立木が他の立木に引っかかった状態である「かかり木」の処理に関するガイドラインは、かかられている立木を伐木してはならず、かかり木が発生した場合には速やかに処理しなければならないと定めている。やむを得ず一時的に放置する場合は、労働者が誤って近付かないよう、標識の掲示などの措置を取らなければならない。
 また、労働安全衛生規則はかかり木の処理を行う場合、処理を行う場所の下方に労働者を立ち入らせてはならず、処理作業をする労働者以外を付近に立ち入らせてはならないと定めている。現場では労災が発生する1カ月ほど前にかかり木が生じていたが、重機が入らずに処理が後回しになっていた。
 個人事業主はかかり木の周囲に入らず、かかられている木も切らないよう指示していたが、付近への立ち入りを禁止する表示はしていなかった。労働者がなぜ伐木をしたかは不明だが、同労基署は「かかり木があることに気付かずに切った可能性がある」と話している。
 労災発生当日、現場では個人事業主と労働者を含め3人が作業に当たっていた。休憩時間になっても労働者のいた方向からチェーンソーの音が鳴り続いていたため、様子を見に行ったところ、木の下敷きになった労働者が発見されたという。
【令和2年6月24日送検】

労働基準法違反行為 タイムカード提出拒み送検 長時間労働隠蔽図る――松阪労基署

 三重・松阪労働基準監督署(古市泰久署長)は、違法な時間外労働の実態を隠すため、臨検の際に虚偽の陳述をし、営業部長である労働者1人のタイムカードを提出しなかったとして、コンクリート製品の製造・販売業の㈱大台(三重県多気郡)と同社代表取締役および取締役の計1社2人を、労働基準法第101条(労働基準監督官の権限)違反の疑いで津地検松阪支部に書類送検した。管理監督者であるためタイムカードを使用していないと主張していたが、実際はタイムカードでの時間管理を行っており、同労基署は管理監督者性を否定している。
 同労基署は今年6月9日、同社に関して長時間労働の情報が寄せられていたことから、抜き打ちの定期監督を行った。代表者が不在だったため、1週間後の臨検までに必要書類を用意するよう求めた。
 6月16日の臨検では、同社代表取締役と取締役は長時間労働を隠蔽するため、共謀のうえ営業部長のタイムカードのみ提出しなかった。「管理監督者であるため労働時間を把握していない」と主張したが、賃金台帳には休日労働時間分の支払いが記載されており、労働時間の管理を行っていることが判明している。
 同社は製造部門を中心に約30人を雇用しており、営業部には計3人が所属していた。すべての従業員のなかで営業部長のみ長時間労働が続いており、約半年間にわたってほぼ毎月100時間を超えて時間外労働を行っていた。最長の月では160時間に上っている。
 労基法第41条では、管理監督者について労働時間、休憩、休日の規定を適用しないとしているが、深夜の規定については管理監督者にも適用される。同社は営業部長に対して休日割増賃金は支払っていたが、時間外・深夜割増分は役職手当に含まれているとして支払っていなかった。
 同労基署は、営業部長を管理監督者として認めていない。「長時間労働を行わせていたことよりも、臨検の際に隠していた事実を重くみて労基法第101条(労働基準監督官の権限)を適用し書類送検した」としている。

パワハラ 就業規則

『パワハラ列挙必要か 就業規則の懲戒事由』 
Q.従業員本人や家族が感染症にり患した場合のいじめ、嫌がらせを防ぐため、懲戒規定で具体的に書くべきだという人がいます。感染症の文言を規定しておかないと懲戒処分はできないのでしょうか。
A.包括規定でカバー可能
パワーハラスメントの防止に関して、労推法30条の2に基づく指針では、就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書において、職場におけるパワハラに係る言動を行った者に対する懲戒規定を定め、その内容を労働者に周知・啓発することとあります。
セクシュアルハラスメントやマタニティーハラスメント等に関する就業規則の禁止規定や懲戒規定も確認してみてください。たとえば、言動により、就業環境を悪化させたときなどの規定があるはずです。
厚労省のモデル就業規則を例に考えてみます。12条のパワハラの禁止では、定義が書かれているだけで具体的な内容はありません。66条の懲戒規定でも12条に違反したときとあるだけです。実務では、具体的な規定には直接該当しない事由でも懲戒権を取得できるよう包括規定を定めるとあります。ハラスメント禁止規定を設けたうえで懲戒規定において「その他前各号に準ずる不適切な行為があったとき」などの規定を設けて対応すべきでしょう。

働き方改革 標準報酬月額改定

社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)は、支給される給与額に基づき決定される標準報酬月額に応じた額を従業員の給与から控除し、会社が負担すべき保険料とともに納付します。現在、その標準報酬月額は、健康保険(介護保険)が1等級から50等級、厚生年金保険が1等級から31等級となっています。
 具体的には、標準報酬月額の等級区分について、現行の最高等級である31級(620,000円)の上に、さらに1等級、32級(650,000円)を加えるものです。これにより、31等級の被保険者が32等級となることで、労使双方で2,745円の負担が増えることになります。