働き方改革 最賃未満で働かせる 「道の駅」運営会社送検 大淀労基署

 奈良・大淀労働基準監督署は、㈱黒滝森物語村(同県黒滝村)が運営する宿泊施設「森の交流館」および「道の駅吉野路」の労働者7人について最低賃金額未満で働かせたなどとして、同社と同社副社長および森の交流館の支配人を労働基準法第37条(割増賃金)と最低賃金法第4条(最低賃金)違反、道の駅吉野路黒滝の責任者を労基法第37条違反の疑いで奈良地方検察庁に書類送検した。
 同社は、森の交流館の夜間フロントスタッフ2人に対し、令和3年12月26日~4年4月25日の期間について、最賃以上の賃金を支払わなかった疑い。深夜労働などの割増賃金も所定支払日に支払わなかった。スタッフは日給制で、時間額に換算すると最賃を下回っていた。道の駅吉野路では、販売員5人に同期間の割増賃金の一部を支払わなかった疑いがある。
 同労基署によると、副社長が割増賃金の不払いなどを決定し、支配人と責任者の2人を指揮して実行した。支配人らは勤怠管理を行う立場にあり、かつ副社長の指示により賃金が支払われないことを認識していながら労働者を働かせたとして、送検の対象となっている。
 労働者に支払われていなかった総額は106万8735円に上る。

働き方改革 3割が上限規制超え 非管理職6万人を調査 日建連

 日本建設業連合会が会員107社から回答を得た「2021年度労働時間調査」によると、非管理職のうち、24年度から適用される時間外労働の上限規制を超過している従業員が3割に上ると分かった。会員企業からは、とくに「月45時間以上の時間外労働は年6回まで」への対応が難しいとの声が挙がっているという。
 調査は今年4~5月に実施した。新たな設問として、上限規制への対応状況を加えている。非管理職6万859人のうち、上限規制を超過していたのは1万7427人、28.6%だった。
 日建連では、時間外労働の削減に向けた自主規制目標を定めている。19~21年度の目標とする「年間の時間外労働960時間以内」の未達率は、今回調査では0.7%だった。19年1.6%、20年1.3%と推移し、年々減少傾向にある。
 日建連の担当者は、「会員企業からは、月45時間以上は年6回までの達成が難しいとの声のほか、まずは自主規制目標の960時間以内に抑えるように取組みを進めたと聞いている」と話す。自主規制目標では、22年に840時間以内、23年に720時間以内と段階的に削減を進め、24年には上限規制に適応できるようめざしている。