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年末年始休業を上手に迎えるために ― 椎名社会保険労務士事務所 ―
年末年始は、1年の締めくくりと新年のスタートをつなぐ大切な節目です。企業にとっても、従業員にとっても、心身を整え、次の一年へ前向きに踏み出すための重要な期間といえるでしょう。
年末年始休業を設ける際には、「いつからいつまで休業とするのか」「有給休暇を充てるのか、会社休日とするのか」「交替勤務やシフト制の職場ではどのように調整するのか」など、事前に整理しておくべき点が多くあります。特に就業規則や賃金規程との整合性は重要で、曖昧な運用は後々のトラブルにつながりかねません。
また、年末年始は業務の引き継ぎや棚卸しを行う絶好の機会でもあります。休業前に業務を整理し、休業明けのスムーズな再開を意識することで、無駄な残業や混乱を防ぐことができます。従業員にとっても「しっかり休めた」「気持ちよく仕事始めを迎えられた」という実感は、モチベーション向上につながります。
椎名社会保険労務士事務所では、年末年始休業の設定や就業規則への反映、シフト調整の考え方などについて、企業の実情に合わせたご相談を承っております。年末年始を安心して迎え、明るく元気な一年のスタートを切るためにも、ぜひ一度ご確認ください。
本年も大変お世話になりました。どうぞ良い年末年始をお過ごしください。
賃金規程は会社と従業員を守る大切なルール 椎名社会保険労務士事務所
賃金規程は、基本給や各種手当、賞与、賃金の締日・支払日、計算方法などを明確に定めた重要な社内規程です。
「今までは慣例で運用してきた」「社長の判断で決めている」という会社も少なくありませんが、賃金に関するルールが曖昧なままだと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
例えば、残業代の計算方法が明確でない、手当の支給条件が人によって違う、欠勤・遅刻時の控除方法が説明できない――このような状態は、従業員の不満や不信感を招くだけでなく、労働基準監督署の調査や是正指導の対象となることもあります。
賃金規程を整備する最大のメリットは、「誰に・いつ・いくら支払うのか」を客観的に説明できる点にあります。ルールが明確であれば、経営者も担当者も判断に迷わず、従業員にとっても納得感のある賃金制度となります。また、就業規則と整合性の取れた賃金規程は、会社を守る“盾”の役割も果たします。
一方で、法改正や会社の成長に合わせた見直しも欠かせません。定額残業代の扱い、各種手当の整理、最低賃金への対応など、現状に合わない規程を放置することはリスクになります。
**椎名社会保険労務士事務所**では、会社の実態に即した賃金規程の作成・見直しをサポートしています。
「今の規程で大丈夫か不安」「賃金制度を分かりやすく整理したい」という場合は、ぜひ一度ご相談ください。賃金規程の整備が、安心して経営できる土台づくりにつながります。
通勤手当は“当たり前”だからこそ見直したい 椎名社会保険労務士事務所
通勤手当は、多くの企業で支給されている身近な手当の一つです。毎月の給与明細に当然のように記載されている一方で、支給方法や規程内容を十分に整理できていないケースも少なくありません。
「実費支給にしているつもりだが、上限を決めていない」
「6か月定期を支給しているが、途中退職時の扱いが曖昧」
このような状態は、後々トラブルの原因になりがちです。
通勤手当は法律上の“義務”ではない
意外に思われるかもしれませんが、通勤手当の支給は法律上の義務ではありません。
しかし、就業規則や賃金規程に定めた以上は、会社はその内容を守る義務があります。
つまり、支給するか・しないか
支給対象者
支給方法(実費・定額・定期代)
支給単位(月払い・6か月前払いなど)
これらを会社が主体的に設計し、明文化することが重要なのです。
よくある通勤手当トラブル
通勤手当に関して、現場でよくご相談いただくのが次のようなケースです。
途中で通勤経路が変わったが、届出がされていない
マイカー通勤者の距離計算が曖昧
6か月分を前払いしており、途中退職時の返還で揉めた
非課税限度額を超えていることに気づいていなかった
これらはすべて、規程の未整備・運用ルールの不足が原因です。
通勤手当は「公平性」と「管理のしやすさ」がポイント
通勤手当を設計する際は、
①従業員間の公平性
②会社としての管理のしやすさ
この2点を意識することが大切です。
特に、公共交通機関・マイカー・自転車など、通勤手段が混在する企業では、
距離区分や上限額を明確にしておくことで、無用な不満や誤解を防ぐことができます。
規程整備は“トラブル予防策”
通勤手当は金額が大きくなりやすく、感情的な対立に発展しやすい項目です。
だからこそ、事前にルールを決め、書面で示しておくことが最大の予防策となります。
椎名社会保険労務士事務所では、
企業規模や業種に応じた通勤手当規程の作成
6か月定期・前払い制度の整理
途中退職時の清算ルールの設計
など、実務に即したご提案を行っています。
まとめ
通勤手当は、単なる「補助」ではなく、企業の姿勢や管理体制が表れる制度です。
今一度、自社の通勤手当が「分かりやすく・公平で・運用しやすいもの」になっているか、見直してみてはいかがでしょうか。
制度の見直しや規程整備についてお悩みの際は、ぜひ椎名社会保険労務士事務所までお気軽にご相談ください。
年末年始休暇を有意義にするために大切なこと 椎名社会保険労務士事務所
年末年始休暇は、1年の疲れを癒やし、新しい年に向けて英気を養う大切な時間です。企業にとっても、従業員にとっても、この期間をどのように位置づけ、どのように準備するかが重要になります。
まず大切なのは、年末年始休暇の日程を早めに明確にし、社内で共有することです。就業規則や年間休日カレンダーに基づき、休暇日・出勤日・交代勤務の有無などを整理しておくことで、従業員は安心して休暇を迎えることができます。特にシフト勤務のある職場では、事前調整が欠かせません。
また、年末年始は業務の区切りとして、仕事の棚卸しや引き継ぎを行う絶好の機会でもあります。「やり残し」を減らし、「年明けからスムーズにスタートする」ための準備をすることで、休暇明けの混乱を防ぐことができます。
一方で、従業員にとっては、心身をリフレッシュし、家族や自分の時間を大切にすることが何より重要です。しっかり休むことで集中力やモチベーションが高まり、結果として年明けの業務効率向上にもつながります。
年末年始休暇は、単なる「お休み」ではなく、次の一年をより良くするための大切な準備期間です。弊所では、年末年始の休暇運用や就業規則の確認、勤務体制の整理などについてのご相談も承っております。お気軽にご相談ください。
皆さまが良い年末年始を迎えられますことを心よりお祈り申し上げます。
入社前研修の賃金を支払うのか? 椎名社会保険労務士事務所
賃金支払いが「必要」と判断されやすいケース
次のような場合は、労働時間と評価され、賃金支払いが必要となる可能性が高いです。
会社が参加を義務付けている研修
業務に直接必要な知識・技能を習得させる内容
日時・場所・内容が会社により指定・管理されている
研修中の行動が会社の指揮命令下にある
たとえ「雇用契約書の締結前」であっても、実質的に労働と同視される場合は賃金支払い義務が生じます。
賃金支払いが「不要」と判断されやすいケース
一方、次のような場合は、賃金不要と判断される余地があります。
参加が完全に任意である
一般的な自己啓発・会社説明会レベルの内容
業務とは直接関係しない、社会人マナーの基礎など
不参加でも不利益が一切ない
ただし、「任意」としつつ実質的に強制になっている場合は注意が必要です。
実務上の注意点(トラブル防止)
「入社前だから無給」と一律判断しない
研修の目的・拘束性・業務関連性を整理する
無給とする場合は、任意参加であることを明確に書面化
迷う場合は、入社日を早めて有給研修にするのも安全策
まとめ
入社前研修でも、実態が「労働」であれば賃金支払いは必要です。
形式よりも実質判断が重視されるため、研修設計には慎重さが求められます。
入社前研修の位置づけや規程整備について不安がある場合は、早めの確認をおすすめします。