「えっ、今月で辞めるの?」
経営者や上司が驚く「びっくり退職」は、どの職場でも起こり得る出来事です。突然の退職連絡に慌てて引き継ぎやシフト調整を行い、現場が混乱する…そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
■ なぜ「びっくり退職」は起こるのか
退職には法律上の手続き期間がありますが、現実には「もう限界」「言い出せなかった」「人間関係がつらい」など、心理的な理由が大きく関係しています。
特に最近は、SNSなどで退職代行サービスが簡単に利用できるようになり、直接顔を合わせずに辞めてしまうケースも増えています。
つまり、「びっくり退職」は会社と従業員のコミュニケーション不足のサインでもあります。
■ 予防のためにできること
定期的な面談を行う
「困っていることはない?」と気軽に話せる場をつくることで、早期に不満をキャッチできます。
上司が日常的に声をかける
「ありがとう」「助かったよ」などの言葉が、従業員のモチベーション維持につながります。
キャリアや働き方の希望を共有する
将来の働き方を一緒に考える姿勢を持つことで、安心感を与えられます。
就業規則と退職手続を明確に伝える
「どのように退職を申し出るか」をルールとして明文化しておくことも、トラブル防止に役立ちます。
■ 退職が起きた後の対応も大切
突然の退職があっても、感情的な対応は避け、冷静に次の手を打ちましょう。
・退職届の有無、退職日、未払い賃金の確認
・社会保険・雇用保険の資格喪失手続き
・備品やデータの返却確認
など、労務管理の基本手続きを丁寧に行うことが信頼維持につながります。
■ 「びっくり退職」を「気づき退職」に
退職を「突然の出来事」で終わらせず、
「なぜそうなったのか」「今後どう防ぐか」をチームで振り返ることが大切です。
会社の風通しを良くし、信頼関係を築くことで、びっくり退職は確実に減らせます。
椎名社会保険労務士事務所では、退職トラブル防止のための面談制度設計や、就業規則の見直し、管理職研修などもサポートしています。
「突然の退職で困った…」というご相談もお気軽にお寄せください。