定年引上げのメリットとは? ~企業と従業員の未来を支える制度設計~ 椎名社会保険労務士事務所

少子高齢化が進み、労働力不足が深刻化する中で、企業の人材戦略において「定年引上げ」は重要なキーワードとなっています。今回は、企業側・従業員側双方にとっての定年引上げのメリットを整理し、導入にあたってのポイントをご紹介します。

■ 企業側のメリット
1. 優秀な人材の確保・流出防止
経験やノウハウを持つベテラン社員を引き続き活用できることは、企業にとって大きな強みです。熟練技術や取引先との信頼関係を継承する時間を確保できます。

2. 若手の育成と組織の安定
ベテラン社員が指導役として若手を育成することで、世代間の橋渡しが可能となり、組織力の底上げにもつながります。

3. 企業イメージの向上
高年齢者の雇用継続を積極的に行うことで、「働きやすい職場」「長く勤められる会社」としての企業ブランドが高まり、採用活動にも好影響をもたらします。

■ 従業員側のメリット
1. 安定した生活設計
年金の支給開始年齢の引上げに伴い、収入を得られる期間が延びることは、生活の安心につながります。定年後も働ける制度が整っていることは、従業員にとって非常に心強いものです。

2. 働きがい・生きがいの継続
長年働いてきた職場での活躍の場があることは、自己実現や社会参加の観点からも大きな意味を持ちます。

3. キャリアの再構築の機会
定年を機に新たな役割を担うことで、第二のキャリアを築くきっかけとなることもあります。

■ 定年引上げを進める上でのポイント
就業規則の見直し
定年年齢の変更に合わせて、継続雇用制度や役職制度、給与体系も見直す必要があります。

高年齢者雇用安定法への対応
2021年4月からは70歳までの就業機会確保が努力義務とされており、段階的な制度整備が求められます。

助成金の活用
高年齢者の雇用維持や処遇改善に取り組む企業に対して、厚生労働省の助成制度(例:65歳超雇用推進助成金)も活用可能です。

■ 最後に
定年引上げは、単なる年齢延長ではなく、企業の未来と従業員の働き方を見直す絶好の機会です。制度設計にあたっては、労働条件や処遇面も含めた丁寧な準備と、全従業員への周知・理解が欠かせません。

椎名社会保険労務士事務所では、定年制度の見直しから、就業規則の整備、助成金の申請サポートまでトータルでご支援しております。お気軽にご相談ください。

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