こんにちは。千葉県匝瑳市の椎名社会保険労務士事務所です。
今回は、労務相談でよく取り上げられるテーマのひとつ、「振替休日」と「代休」の違いについて解説します。
労働時間の適正な管理が求められるなか、特に休日出勤を行った際の対応について誤解されている企業も少なくありません。正しい知識をもとに、労使トラブルを防ぎましょう。
■ 振替休日とは?
● 定義とポイント
「振替休日」とは、あらかじめ与えるはずだった法定休日を他の日に変更することです。
たとえば、会社が日曜日を法定休日と定めている場合、日曜日に出勤してもらい、その代わりに翌週の水曜日を休日とするなど、事前に休日と労働日を入れ替える形になります。
● 法的な位置づけ
振替休日として正しく設定すれば、出勤した日(例:日曜日)は平日扱いとなり、休日労働には該当しません。したがって、休日割増賃金(35%以上)は不要になります。
● 要件
就業規則に振替休日制度が規定されていること
事前に労働日と休日の入れ替えを命じること(事前通知)
■ 代休とは?
● 定義とポイント
一方で「代休」とは、休日に労働させたあと、別の日に休みを与えることです。
これは、あくまで休日労働の代償として休ませる措置であり、休日出勤の事実は消えません。
● 法的な位置づけ
代休制度を導入していても、休日に労働させた事実がある限り、休日労働とみなされ、休日割増賃金(35%以上)が必要となります。
つまり、代休を与えても、割増賃金の支払い義務は残るという点が重要です。
■ よくある労務相談の例
Q:社員に日曜日出勤をお願いし、水曜日に休ませました。これは振替休日?代休?
→事前に「水曜日を休日とする」と明確に伝えていた場合は振替休日ですが、事後に「代わりに休んで」と伝えた場合は代休です。
したがって、後者は休日割増賃金が必要になります。
■ トラブル防止のために必要なこと
就業規則で明確に定めること
振替休日制度や代休制度が曖昧なままだと、労使間の誤解やトラブルの原因になります。
事前の運用ルールと記録
振替休日を適用する場合は、事前に書面やシステムで明確に指示・記録を残すことが大切です。
給与計算への正確な反映
代休制度で休日出勤を行った場合、必ず割増賃金を計算に反映しましょう。
■ 椎名社会保険労務士事務所からのご提案
当事務所では、以下のようなサポートを行っています。
振替休日・代休制度の就業規則への規定提案
給与計算への正しい反映方法の指導
労働時間管理や休日管理の仕組みづくり
労働基準監督署対応のアドバイス
「うちの運用は正しいのだろうか?」とお悩みの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
■ 最後に
「振替休日」と「代休」は似て非なる制度です。
どちらも従業員の健康を守りつつ、企業として法令を遵守するために不可欠な知識です。
椎名社会保険労務士事務所では、企業の実情に応じたアドバイスと制度設計を通じて、**「明るく元気な職場づくり」**を応援しています。
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