36協定書の必要性について 椎名社会保険労務士事務所

はじめに
働き方改革が進む現代において、労働時間の適正管理は企業にとって避けて通れない課題です。特に、時間外労働に関しては、従業員の健康を守り、労働基準法の遵守を確実にするために重要な役割を果たしています。この文脈で、36協定書の存在がクローズアップされます。

36協定書とは
36協定書は、労働基準法第36条に基づき、使用者と労働組合、または労働者代表との間で締結される時間外労働及び休日労働に関する協定のことです。この協定により、法定の労働時間を超える労働や、法定休日の労働が可能となります。協定を結ぶことで、時間外労働の上限が定められ、従業員の健康管理と適正な労働環境の保持が図られます。

必要性
法律遵守
まず基本的な点として、時間外労働を行うためには、36協定書の締結が法律によって義務付けられています。従って、この協定を結んでいない状態での時間外労働は、労働基準法違反となり得ます。

従業員の健康保護
時間外労働の適正な管理は、従業員の健康を保護する上で極めて重要です。長時間労働が常態化すると、従業員の心身に過度な負担がかかり、疾病リスクが高まります。36協定書を通じて、時間外労働の限度を設けることは、従業員の健康を守る上で不可欠です。

労使間の信頼構築
36協定書の締結過程では、使用者と労働者代表が対話を重ね、合意形成を図ります。このプロセスは、労使間の信頼関係を築き、より良い労働環境を作るための基盤となります。透明性のある運用は、労働者のモチベーション向上にも寄与します。

まとめ
36協定書は、時間外労働に対する法的な枠組みを提供し、従業員の健康と労働環境の改善に寄与します。法律遵守のみならず、労使間の健全な関係構築にも役立つこの協定の締結は、全ての企業において重要なステッップです。時間外労働を管理し、従業員の健康を守るために、36協定書の適正な取り扱いが求められます。

企業における実践のポイント
1. 協定内容の明確化
協定を締結する際には、時間外労働の上限や、適用される労働者の範囲など、内容を明確にし、書面に残すことが重要です。これにより、双方の認識の齟齬を防ぎます。

2. 定期的な見直し
事業の状況や労働環境は変わり得るため、協定も定期的に見直す必要があります。特に、働き方改革関連法の施行に伴い、時間外労働に対する規制が強化されている点を踏まえ、適宜、内容の更新を行うことが望ましいです。

3. 従業員への周知
協定の締結だけではなく、その内容を従業員に適切に周知することも大切です。従業員が協定の内容を理解し、適正な労働時間管理を行えるようにすることが、健康保護につながります。

結論
36協定書の締結は、法律遵守のためだけでなく、従業員の健康を守り、企業文化を改善するためにも必要な手続きです。適正な労働時間の管理を通じて、従業員の満足度を高め、生産性の向上を図ることができます。椎名社会保険労務士事務所では、36協定書の作成支援をはじめ、働き方改革に関する様々なサポートを提供しています。健全な労働環境の構築を目指す企業様は、ぜひご相談ください。