健康診断は「企業の元気」のバロメーター ~社員の健康が会社の力をつくる~ 椎名社会保険労務士事務所

こんにちは。椎名社会保険労務士事務所です。

毎年訪れる「健康診断」。
従業員の皆さんのなかには、「面倒だな」と思いながら受診している方もいるかもしれません。しかし、この健康診断こそが、会社にとっても、従業員にとっても非常に大切な「気づきのチャンス」だということをご存じでしょうか?

■ 健康診断は義務です

まず、法的な側面からお話しします。
労働安全衛生法により、事業者(会社)は従業員に対して年1回の定期健康診断(常時雇用の方)を実施することが義務付けられています。さらに、深夜業務や有害業務に従事する労働者については特殊健康診断の対象となります。

健康診断を実施しない、または結果を放置していると、労働基準監督署からの是正勧告の対象になることもあります。

■ 健康診断は「予防」の第一歩

健康診断の目的は、「病気の早期発見・早期治療」だけではありません。
生活習慣の見直しや、働き方の改善につながるきっかけを提供する「予防医療」の側面が強くなっています。

たとえば、以下のような事例が実際にあります。

血圧が高めだったことで精密検査を受け、高血圧症が発覚し、生活習慣の改善へつながった

肝機能の異常が見つかり、日頃の飲酒量を減らすきっかけになった

高血糖の指摘により糖尿病予備軍としての自覚が生まれた

これらの「気づき」が将来的な大きな病気を防ぎ、労働力の維持にもつながるのです。

■ 企業にとってのメリットとは?

健康診断を適切に実施し、結果に基づいたフォローアップを行うことは、企業にとっても大きなメリットがあります。

労働生産性の向上
 健康な体があってこそ、集中力もパフォーマンスも維持できます。

休職・離職のリスク低下
 未然に健康問題を把握できれば、病気による長期休職や離職の防止になります。

企業イメージの向上
 社員の健康を大切にする企業は、応募者や取引先からの評価も高まります。

労災リスクの低下
 体調不良による事故を防ぐことは、安全配慮義務を果たすことにもつながります。

■ フォロー体制を整えましょう

健康診断の実施だけでなく、その**「結果を活かす体制」**がとても重要です。

結果を踏まえた産業医の面談

高リスク者への再検査や通院の勧奨

健康意識を高める研修やセミナーの実施

健康相談窓口の設置

これらの取り組みが、従業員一人ひとりの健康を守るだけでなく、企業全体の活力にも直結します。

■ 健康診断をきっかけに「健康経営」へ

最近では、従業員の健康を企業戦略として取り組む「健康経営」の考え方も注目されています。

「健康診断は会社の義務だから受けさせている」ではなく、
「社員の未来と会社の未来を守るために、健康づくりに取り組んでいる」――
そんな姿勢を社内外に発信することが、人材確保や企業価値向上にもつながるのです。

椎名社会保険労務士事務所では…

健康診断実施のご相談から、結果の活用方法、労働安全衛生体制の整備、ストレスチェック制度の導入支援、健康経営の助成金活用まで、幅広くサポートいたします。

従業員の健康は、企業の未来をつくります。
この機会に、健康診断の実施体制を見直してみませんか?