【企業向け】熱中症対策の義務化 ~安全な職場環境づくりの第一歩~ 椎名社会保険労務士事務所

2024年4月、厚生労働省は労働安全衛生規則の一部を改正し、「熱中症予防対策」の強化を義務付けました。これにより、特に屋外や高温多湿環境で作業を行う事業者にとって、熱中症対策は“努力義務”から“実施義務”へと大きく変化しました。

■ 改正の背景と意義
毎年、夏季になると多くの労働者が熱中症により救急搬送され、時には死亡事故に至ることもあります。厚生労働省の統計によれば、熱中症による労災件数は年々増加傾向にあり、予防対策の徹底が求められていました。こうした状況を受けて、今回の改正が実施されました。

■ 義務化された主な対策内容
以下の項目が、事業者に対して新たに義務付けられました。

WBGT(暑さ指数)の測定と記録
作業場所の暑さ指数(WBGT値)を測定し、必要に応じて作業計画の見直しや対策を講じることが求められます。

暑熱環境の改善
遮熱シートや送風機、ミストの設置など、物理的に温度を下げる工夫が必要です。

水分・塩分補給の確保
作業場所周辺に飲料水や塩分補給ができるものを常備し、休憩中の補給を促します。

作業管理と休憩の確保
高温下では適切な休憩時間を設け、作業時間の短縮や交代制の導入を検討することが推奨されます。

労働者への教育と訓練
熱中症の初期症状や応急処置の方法、予防策について、定期的な教育が必要です。

■ 罰則や指導の可能性
義務違反が確認された場合には、労働基準監督署からの是正指導や、場合によっては罰則が科される可能性もあります。特に熱中症による労災発生時には、対策が不十分であったことが企業責任として問われることもあるため、対応は不可欠です。

■ 椎名社会保険労務士事務所からのアドバイス
熱中症対策は、労働者の健康と命を守るための基本です。しかし、「どのように始めたらよいか分からない」「測定機器や教育体制が整っていない」といった企業様も多いかと思います。

当事務所では、以下のようなご支援が可能です。

熱中症対策マニュアルの作成

従業員向け教育資料の提供・研修の実施

暑さ指数の管理方法に関するご相談

労働基準監督署への対応サポート

企業にとっては「義務」として対応するだけでなく、「安心して働ける環境づくり」を実現する好機でもあります。この夏を前に、万全の対策を整えていきましょう。

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