ハラスメント相談窓口を受けております。 椎名社会保険労務士事務所

当事務所では、顧問先企業などからのご依頼を受け、従業員の皆さまのハラスメント相談窓口をお引き受けしております。

職場のハラスメント問題は、起きてから対応するだけではなく、**「安心して相談できる窓口をつくっておくこと」**がとても大切です。

「社内では相談しにくい」という声

会社に相談窓口を設けていても、従業員の立場からすると、

「上司には話しにくい」
「相談したことが社内に広まらないだろうか」
「相談したことで不利益を受けないだろうか」
「これが本当にハラスメントなのか分からない」

といった不安から、なかなか相談できないことがあります。

そのため、社外に相談窓口を設けることも一つの方法です。

厚生労働省の指針でも、ハラスメントについて相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備することが求められています。また、相談者・行為者等のプライバシーを保護し、相談したことなどを理由として不利益な取扱いをしてはならないことも重要なポイントです。

社会保険労務士事務所を外部相談窓口に

椎名社会保険労務士事務所では、企業の外部相談窓口として、従業員の皆さまからハラスメントに関する相談をお受けしています。

相談を受ける際に大切にしているのは、まず相談者のお話を丁寧に聴くことです。

相談者が「ハラスメントを受けた」と話したからといって、その段階ですぐにハラスメントであると決めつけるものではありません。

いつ、どこで、誰から、どのような言動があったのか、そのときどのように感じたのか、その後どのような状況になっているのかなどを一つひとつ整理していきます。

そのうえで、必要に応じて会社と連携しながら、事実確認や今後の対応につなげていくことが重要です。

相談窓口は「問題を大きくする場所」ではありません

ハラスメント相談窓口というと、「相談があれば加害者を処分するところ」と考えられることがあります。

しかし、相談窓口の大切な役割はそれだけではありません。

問題が小さい段階で従業員の声を聴き、職場で起きていることを把握することで、深刻な労務トラブルに発展する前に対応できる可能性があります。

「最近、上司の言い方がきつくなった」
「同僚との人間関係で悩んでいる」
「お客様からの言動に困っている」

こうした声を早い段階で拾うことが、働きやすい職場づくりにつながります。

カスタマーハラスメントへの対応も重要です

今後は、上司や同僚からのハラスメントだけでなく、顧客等からのカスタマーハラスメントへの対応もますます重要になります。

2026年10月1日から、カスタマーハラスメント防止のために事業主が雇用管理上必要な措置を講じることが義務化されます。厚生労働省の指針では、相談窓口について、社内担当者を定める方法だけでなく、外部機関に相談対応を委託する方法も例示されています。

会社としては、「何かあったら相談してください」だけではなく、誰に、どのような方法で相談できるのかを明確にしておくことが大切です。

相談できる会社は強い会社

ハラスメントを完全にゼロにすることは簡単ではありません。

だからこそ大切なのは、問題が起きたときに、

「声を上げることができる」
「安心して相談できる」
「会社がきちんと話を聴いてくれる」

という職場環境をつくることだと考えています。

相談窓口を設けることは、会社を守るためだけではありません。従業員を守り、管理職を守り、結果として会社全体を守る仕組みになります。

椎名社会保険労務士事務所では、ハラスメント相談窓口のほか、ハラスメント防止規程の作成・見直し、相談対応マニュアルの整備、管理職研修、従業員研修、カスタマーハラスメント対策などについてもお手伝いしております。

「社内だけで相談窓口を運営するのは難しい」
「相談担当者の負担が大きい」
「外部相談窓口を設置したい」

このようなお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

相談できる職場づくりから、ハラスメントのない明るい職場づくりへ。

椎名社会保険労務士事務所では、企業と従業員の皆さまが安心して働ける職場づくりをサポートしてまいります。

従業員へ「注意・指導書」を作るときのポイント 椎名社会保険労務士事務所

従業員の遅刻や欠勤、勤務態度、業務上のミス、指示に従わない行為などについて、会社として注意・指導を行う場面があります。

最初は口頭で注意していたものの、同じことが繰り返されると、「今後のために文書で指導した方がよいのではないか」という相談を受けることがあります。

注意・指導書を作成する目的は、従業員を責めたり、退職に追い込んだりすることではありません。

問題となっている事実を本人に伝え、会社が何を改善してほしいのかを明確にし、改善の機会を与えることが重要です。

① 感情ではなく「事実」を書く

注意・指導書では、「勤務態度が悪い」「やる気がない」「協調性がない」といった抽象的な表現だけで終わらせないことがポイントです。

例えば、

「○月○日、始業時刻午前8時30分に対して午前8時45分に出勤した」

「○月○日、上司から○○するよう指示したが、指示された業務を行わなかった」

など、いつ、どこで、何があったのかをできるだけ具体的に記載します。

本人と会社で事実認識に違いがある場合には、一方的に決めつけるのではなく、本人から事情を確認することも必要です。

② 「何が問題なのか」を明確にする

事実を書くだけでは、本人が「何を直せばよいのか」を理解できないことがあります。

会社のルールや就業規則、業務上の指示などに照らして、どのような点が問題であるのかを具体的に伝えます。

大切なのは、単に「注意します」とするのではなく、会社として求めている行動を明確にすることです。

③ 改善してほしい内容を書く

注意・指導書には、過去の問題だけでなく、今後どのように改善してほしいのかを記載します。

例えば、

「今後は始業時刻までに業務を開始できるよう出勤してください」

「業務上の指示について不明な点がある場合には、自己判断せず上司に確認してください」

など、本人が具体的に行動できる内容にすることが重要です。

④ 最初から強すぎる表現にしない

初めて文書で指導する場合には、いきなり「次回は懲戒処分とする」「改善しなければ解雇する」などと断定することには慎重さが必要です。

まずは「第1回指導書」として、事実確認、問題点、改善を求める事項を整理し、本人に改善の機会を与える方法が考えられます。

その後も同じ問題が繰り返される場合には、口頭指導→文書による指導→再指導というように、会社が継続して改善を求めてきた経過を残しておくことが重要になります。

⑤ 本人の言い分も確認する

会社側から見れば問題行動であっても、本人には本人なりの事情がある場合があります。

注意・指導書を渡して終わりではなく、面談を行い、

「この事実について間違いはありませんか」

「何か事情はありますか」

「今後改善するために会社として支援できることはありますか」

と確認することも大切です。

注意・指導は一方通行ではなく、本人の話を聞きながら行うことで、その後の改善につながる可能性があります。

⑥ 注意・指導と懲戒処分を混同しない

特に注意したいのが、「業務上の注意・指導」と「懲戒処分」を混同しないことです。

懲戒については、就業規則の定めや処分の相当性などを慎重に確認する必要があります。労働契約法第15条では、懲戒が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合には、権利濫用として無効になると定められています。

そのため、単なる指導書のつもりで作った文書が、内容によっては実質的な懲戒処分と受け取られることがないよう、文言には注意が必要です。

⑦ 「記録を残す」という視点も大切

従業員への指導では、「何月何日に、誰が、どのような内容を伝え、本人がどのように回答したのか」を記録しておくことが重要です。

問題が改善されれば、それでよいのです。

しかし、何度指導しても改善されない場合には、これまで会社がどのような指導を行い、改善の機会を与えてきたのかという経過が重要になります。

口頭注意だけで終わらせず、必要に応じて面談記録や注意・指導書を残しておくことをお勧めします。

注意・指導の目的は「改善」です

従業員に注意する場面では、どうしても「なぜ何度言っても分からないのか」という気持ちが出てしまうものです。

しかし、感情的に叱るだけでは、職場の人間関係を悪化させることもあります。

「何が問題だったのか」「会社は何を求めているのか」「いつまでに、どのように改善してほしいのか」

この3点を具体的に伝えることが、注意・指導の基本です。

また、指導した際には、改善できた部分について「良くなりましたね」と認めることも大切です。

「褒める・認める・感謝する」という姿勢を持ちながら、必要なことはきちんと指導する。その積み重ねが、従業員の成長と働きやすい職場づくりにつながるのではないでしょうか。

椎名社会保険労務士事務所では、従業員への注意・指導の進め方、注意・指導書の作成、就業規則の整備など、企業の労務管理についてご相談をお受けしています。

最低賃金に含まれる賃金・含まれない賃金を確認しましょう。椎名社会保険労務士事務所

最低賃金が改定される時期になると、企業から「基本給だけで最低賃金を確認するのでしょうか」「毎月支給している手当は含めてもよいですか」といったご相談をいただくことがあります。

最低賃金を確認するときに大切なのは、すべての賃金を合計して判断するわけではないということです。

最低賃金の対象となる賃金とは

最低賃金の対象となるのは、原則として「毎月支払われる基本的な賃金」です。

たとえば、基本給のほか、毎月一定の条件で支給される職務手当、役職手当、資格手当などは、原則として最低賃金の対象となる賃金に含めて考えます。

ただし、手当は名称だけで判断するのではなく、実際の支給内容や性質を確認することが重要です。

最低賃金に含まれない賃金

一方、次のような賃金は最低賃金を確認する際には除外します。

・臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
・時間外労働に対して支払われる割増賃金
・休日労働に対して支払われる割増賃金
・深夜労働に対する割増部分
・精皆勤手当
・通勤手当
・家族手当

したがって、「基本給は最低賃金を下回っているけれど、通勤手当を加えれば最低賃金以上になる」という考え方はできません。

カスタマーハラスメント対策は「従業員を守る仕組みづくり」から 椎名社会保険労務士事務所

近年、顧客や取引先などからの暴言、威圧的な言動、過度な要求、長時間にわたる拘束など、いわゆる「カスタマーハラスメント」が大きな問題となっています。

そして、2026年10月1日から、企業におけるカスタマーハラスメント対策が事業主の義務となります。

カスタマーハラスメントとは、単に「お客様から苦情を言われた」ということではありません。

顧客や取引先、施設利用者などからの言動で、その内容や態様が社会通念上許容される範囲を超え、それによって従業員の就業環境が害されるものが対象となります。

大切なのは、正当な苦情や要望とカスタマーハラスメントをきちんと区別することです。

お客様からの意見や苦情の中には、商品やサービスを改善するための大切な気づきもあります。一方で、暴言や脅迫、人格を否定するような発言、土下座の要求、必要以上に長時間拘束する行為などについては、「お客様だから仕方がない」と従業員一人に我慢させるべきではありません。

「従業員個人に対応させない」ことが重要です

カスタマーハラスメント対策で特に重要なのは、問題が発生したときに、対応した従業員だけに判断を任せないことです。

「どこまで対応するのか」
「誰に報告するのか」
「どの段階で上司に代わるのか」
「警察や弁護士など外部機関へ相談するのはどのような場合か」

こうした対応方法を会社としてあらかじめ決めておく必要があります。

また、相談窓口を設置するだけでは十分ではありません。

実際にカスタマーハラスメントが発生した際に、管理職や相談担当者が従業員の話をしっかりと聞き、事実関係を確認し、必要に応じて顧客等への対応や従業員への配慮を行える体制をつくることが大切です。

まずは会社の方針を明確にしましょう

カスタマーハラスメント対策の第一歩は、経営者が、

「会社はカスタマーハラスメントから従業員を守ります」

という姿勢を明確にすることです。

そのうえで、カスタマーハラスメントに対する会社方針を作成し、相談窓口を決め、対応マニュアルや報告書などを整備し、管理職・従業員への研修を行っていくことが重要です。

制度やマニュアルを作るだけではなく、実際に問題が起きたときに機能する仕組みにしておかなければなりません。

「こんなことを相談してもよいのだろうか」と従業員が一人で抱え込む職場ではなく、

「困ったときには会社に相談できる」

と思える職場をつくることが、従業員の安心につながります。

カスタマーハラスメント対策は職場づくりの一つです

会社にとって、お客様を大切にすることはもちろん重要です。しかし、それと同じように、働いている従業員を守ることも重要です。

従業員が安心して働けるからこそ、笑顔でお客様に接することができます。

カスタマーハラスメント対策を単なる「法律への対応」と考えるのではなく、従業員を守り、安心して働ける職場をつくるための取組として進めてみてはいかがでしょうか。

椎名社会保険労務士事務所では、カスタマーハラスメント対策について、会社方針の作成、規程の整備、相談窓口の設置、対応マニュアル・報告書の作成、管理職・従業員研修など、企業の実情に合わせた対策をご提案しています。

「お客様を大切にする。そして、従業員も大切にする。」

その両方を実現できる職場づくりを一緒に考えていきましょう。

やれることから始めよう 椎名社会保険労務士事務所

仕事をしていると、「もっと会社を良くしたい」「社員が働きやすい職場にしたい」「職場の雰囲気を変えたい」と思うことがあります。

しかし、いざ取り組もうとすると、何から始めればよいのか分からず、なかなか最初の一歩を踏み出せないこともあります。

そんなときに大切なのは、最初から大きな改革を目指すのではなく、**「今、自分たちにやれることから始める」**ことだと思います。

例えば、朝の挨拶を今まで以上に大切にする。社員から相談されたら、手を止めて話を聞く。良い仕事をしてくれた社員に「ありがとう」「助かったよ」と声をかける。

これも立派な職場改善の一つです。

業務についても同じです。

「この作業はもう少し簡単にできないだろうか」「この書類は本当に必要だろうか」「お客様への対応をもっと良くできないだろうか」と、一人ひとりが身近な仕事を見直すことから改善は始まります。

大きな成果を出そうとすると、なかなか行動できません。しかし、小さな改善であれば今日から始めることができます。

そして、その小さな行動を続けることが大切です。

一人の挨拶が職場の雰囲気を変え、一人の改善提案が仕事のやり方を変え、一言の「ありがとう」が社員のやる気につながることもあります。

会社を良くするために、特別なことばかりが必要なわけではありません。

私が研修などでも大切にしている、**「褒める・認める・感謝する」**ことも、今日から始められる職場づくりです。

社員の良いところを見つけて褒める。頑張っていることを認める。そして、仕事をしてくれていることに感謝を伝える。

こうした小さな積み重ねが、社員同士のコミュニケーションを良くし、風通しの良い職場につながっていくのではないでしょうか。

「準備が整ってから始めよう」ではなく、「まず、やれることから始めよう」。

100点の取り組みを考えて何もしないよりも、まず10点でも20点でも行動してみる。そして、やってみながら改善していく。

その積み重ねが、半年後、一年後には大きな違いになっているかもしれません。

小さな一歩が、会社を変える大きな一歩になります。

椎名社会保険労務士事務所では、就業規則の見直し、人事評価制度、社員研修、管理職研修、職場環境の改善などを通じて、それぞれの企業に合った職場づくりをお手伝いしています。

会社を良くするために、まずは**「今、やれること」**を一緒に考えてみませんか。

小さなことから始める 椎名社会保険労務士事務所

「会社をもっと良くしたい」
「職場の雰囲気を変えたい」

そう思ったとき、大きな改革から始める必要はありません。

まずは、今日からできる小さなことを一つ始めてみてはいかがでしょうか。

朝、笑顔で「おはようございます」と声をかける。

仕事をしてもらったら「ありがとう」と伝える。

社員の良い行動を見つけたら、「いいですね」「助かりました」と声をかける。

どれも特別なことではありません。しかし、この小さな積み重ねが職場の雰囲気を少しずつ変えていきます。

私は研修でも、**「褒める・認める・感謝する」**ことの大切さをお話ししています。

社員に変わってほしいと思う前に、まず経営者や管理職から小さな行動を始めてみる。

一人が変われば、周囲も少しずつ変わります。

人材育成や職場改善も同じです。最初から100点を目指すのではなく、できることから一つずつ取り組むことが大切です。

大きな変化は、小さな一歩から始まります。

今日も「笑顔で挨拶する」「ありがとうを伝える」など、自分にできることを一つ始めてみませんか。

椎名社会保険労務士事務所では、就業規則の整備や人事評価制度、管理職研修、社員研修などを通じて、より良い職場づくりをお手伝いしています。

笑顔から始めましょう椎名社会保険労務士事務所

一日のスタートだからこそ、改めて大切にしたいことがあります。
それは、**「笑顔」**です。
笑顔は職場の雰囲気を変える
朝、職場に入ったとき、
「おはようございます!」と笑顔で挨拶をする。
たったそれだけのことですが、その日の職場の雰囲気は大きく変わります。
反対に、挨拶をしても返事がない、表情が暗い、誰も声を掛けない。
そんな職場では、社員同士のコミュニケーションも少なくなってしまいます。
職場づくりというと、人事制度や就業規則、研修などを考えがちですが、まずは笑顔で挨拶できる職場であることが大切ではないでしょうか。
笑顔はコミュニケーションの第一歩
私が研修などで大切にしているのが、「褒める・認める・感謝する」ということです。
「ありがとう」
「助かったよ」
「頑張っているね」
そんな言葉も、笑顔と一緒に伝えることで、相手に伝わる印象が大きく変わります。
特に管理職の笑顔は大切です。
上司がいつも難しい顔をしていると、部下は相談したいことがあっても「今はやめておこう」と考えてしまいます。
上司から笑顔で「どうした?」と声を掛けるだけでも、相談しやすい職場に近づいていきます。
良い職場づくりは小さなことから、風通しの良い職場をつくるために、特別なことばかりをする必要はありません。
朝は笑顔で挨拶する。
何かしてもらったら「ありがとう」と伝える。
頑張っている社員がいたら、その努力を認める。
困っている人がいたら声を掛ける。
こうした毎日の小さな積み重ねが、社員同士の信頼関係をつくり、働きやすい職場につながっていきます。
そして、コミュニケーションの良い職場は、ハラスメントや労務トラブルの予防にもつながります。
今日も笑顔から始めましょう
忙しいと、つい表情が険しくなってしまうことがあります。
そんなときこそ、少しだけ意識して笑顔で挨拶をしてみる。
自分から笑顔になることで、相手も笑顔になるかもしれません。
「一日の始まりは挨拶から。そして、良い職場づくりは笑顔から。」
今日も笑顔で「おはようございます」と声を掛けるところから始めてみませんか。
椎名社会保険労務士事務所では、就業規則の整備、人事評価制度、管理職研修、ハラスメント対策などを通じて、社員が安心して働くことのできる職場づくりをサポートしています。

労働局の「あっせん」とは?―労働トラブルを大きくしないために― 椎名社会保険労務士事務所

従業員との間で労働トラブルが発生したとき、話し合いで解決できれば一番ですが、双方の主張が食い違い、当事者だけでは解決が難しくなることがあります。

そのような場合に利用される制度の一つが、都道府県労働局の**「あっせん」**です。

あっせんとは

労働局のあっせんは、個々の労働者と事業主との間で発生した労働関係のトラブルについて、紛争調整委員会のあっせん委員が公平・中立な立場から双方の主張を確認し、話し合いによる解決を促す制度です。

解雇や雇止め、労働条件の不利益変更、職場環境をめぐる問題など、さまざまな個別労働紛争が対象となります。

裁判とは異なり、無料で利用でき、手続きが比較的簡便・迅速で、原則として非公開という特徴があります。

会社に「あっせん開始通知」が届いたら

従業員や退職した従業員があっせんを申請すると、会社に労働局から通知が届くことがあります。

突然通知が届くと、「会社が法律違反をしたと判断されたのではないか」と心配される経営者の方もいらっしゃいます。

しかし、あっせんの通知が届いたこと自体が、会社に法令違反があったと認定されたことを意味するものではありません。

まず大切なのは、感情的にならず、相手が何を主張し、何を求めているのかを正確に確認することです。

まず事実関係を整理しましょう

あっせんへの対応では、「会社として言いたいこと」を考える前に、事実関係を時系列で整理することが重要です。

雇用契約書や労働条件通知書、就業規則、賃金台帳、勤怠記録、面談記録、指導書、メールなどを確認します。

特に解雇や雇止め、退職勧奨、配置転換などが問題となっている場合には、

「いつ、誰が、誰に、何を説明したのか」

を客観的な資料に基づいて整理しておくことが重要です。

日頃から面談や指導の内容を記録に残しておくことが、いざというときの会社を守ることにつながります。

「参加しない」という選択もできますが……

労働局のあっせんは、裁判のように相手方の参加を強制する制度ではありません。会社が参加しない場合には、あっせんは実施されず打ち切られることがあります。

しかし、「参加する義務がないから参加しない」とすぐに判断することが最善とは限りません。

あっせんを利用することで、相手の主張や要求を整理し、第三者を介して解決の可能性を探ることができます。

長期間にわたって労使紛争を抱えることによる時間的・精神的負担や、その後の法的手続きの可能性まで考えれば、早い段階で解決を検討することには大きな意味があります。

勝ち負けではなく「解決」を考える

あっせんで重要なのは、必ずしも「どちらが正しいのか」を最後まで争うことではありません。

会社側に十分な理由がある場合でも、紛争が長期化すれば、経営者や担当者には大きな負担がかかります。

反対に、会社側の説明や手続きに不十分な部分があれば、それを確認したうえで、どこまで譲歩すれば早期解決できるのかを検討する必要があります。

「法律上どうなのか」だけではなく、「会社としてどのような解決が最も適切なのか」まで考える。

これが、労働トラブル対応では大切だと考えています。

トラブルは初期対応が重要です

労働トラブルは、最初は小さな行き違いだったものが、説明不足や感情的な対応によって大きな問題へ発展することがあります。

「もっと早く相談していれば……」

実際の労務相談では、そのように感じるケースも少なくありません。

問題が発生してから対応するだけではなく、日頃から就業規則を整備し、労働条件を書面で明確にし、指導や面談の記録を残すことが重要です。

そして、従業員から不満や相談があったときには、まず話を聞くことです。

「話を聞く」「事実を確認する」「記録を残す」「早めに専門家へ相談する」

この積み重ねが、大きな労働トラブルを防ぐことにつながります。

椎名社会保険労務士事務所では

椎名社会保険労務士事務所では、労働トラブルの初期段階からご相談をお受けしています。

労働局からあっせんの通知が届いた場合にも、事実関係や関係資料を整理し、会社としてどのような対応を取るべきかを一緒に検討していきます。

労働問題は、早い段階で対応することが何より重要です。

「まだ大きな問題にはなっていないから大丈夫」ではなく、「大きな問題になる前に相談する」。

企業と従業員の双方にとってより良い解決を目指し、職場のトラブルを未然に防ぐ仕組みづくりをお手伝いしてまいります。

椎名社会保険労務士事務所

健康診断は「受けて終わり」ではありません 椎名社会保険労務士事務所

企業にとって、従業員の健康を守ることは大切な労務管理の一つです。

その基本となるのが、定期健康診断の実施・受診です。

「毎年やっているから大丈夫」
「従業員に受診するよう伝えている」

そこで終わっていないでしょうか。

健康診断は、単に受診して結果を受け取ればよいというものではありません。大切なのは、健康診断の結果を、その後の健康管理や働き方につなげていくことです。

健康診断を受けることは会社と従業員双方にとって大切

労働安全衛生法では、事業者に対して、常時使用する労働者への雇入時の健康診断や定期健康診断などの実施を義務付けています。

一方、労働者にも、会社が実施する健康診断を受けることが求められています。

健康診断は、病気を早期に発見するだけではありません。

「現在の仕事をこのまま続けても健康上問題がないか」
「勤務時間や業務内容への配慮が必要ではないか」

といったことを確認する重要な機会でもあります。

「忙しいから受けられない」をそのままにしない

実務上よくあるのが、

「仕事が忙しくて受診できなかった」
「本人が健康だから大丈夫と言っている」
「何度言っても受診してくれない」

というケースです。

しかし、健康診断は本人任せにするのではなく、会社として対象者を把握し、未受診者には受診を促すなど、確実に受診できるよう管理することが重要です。

特に現場が忙しい会社では、健康診断の日程を早めに周知し、受診時間を確保するなど、従業員が受診しやすい環境を整えておきたいところです。

大切なのは健康診断後のフォロー

健康診断で「異常の所見」があった場合には、その結果を放置しないことが重要です。

必要に応じて医師等の意見を聴き、従業員の健康状態に応じて、就業場所の変更、作業内容の変更、労働時間の短縮などの措置を検討することになります。

会社が健康診断を実施していても、その結果を十分に確認せず、必要な対応を行っていなければ、従業員の健康を守ることにはつながりません。

「健康診断を受けてもらう」から「健康診断の結果を活かす」へ。

ここまで考えることが、これからの企業の健康管理では大切だと思います。

従業員への声掛けも大切です

健康診断の結果について、会社から必要な受診や対応をお願いするときには、伝え方にも配慮したいものです。

「再検査を受けてください」と伝えるだけではなく、

「これからも元気に働いてもらいたいので、一度きちんと診てもらってください」

というように、従業員を大切にしていることが伝わる声掛けも必要ではないでしょうか。

健康管理も、日頃のコミュニケーションの積み重ねです。

健康に働ける職場をつくる

人材不足が続く中、一人ひとりの従業員に長く元気に働いてもらうことは、企業経営にとってますます重要になっています。

健康診断は、そのための大切な第一歩です。

受診する。
結果を確認する。
必要なフォローを行う。
そして、安心して働ける環境を整える。

こうした積み重ねが、従業員を大切にする会社づくりにつながります。

椎名社会保険労務士事務所では、健康診断後の対応をはじめ、長時間労働対策、休職・復職、就業規則の整備など、従業員が健康で安心して働ける職場づくりをサポートしています。

「従業員の健康を守ることは、会社を守ること」

健康診断を機会に、会社の健康管理体制を一度見直してみてはいかがでしょうか。

高齢者雇用を一緒に考える仕事をしています 椎名社会保険労務士事務所

椎名社会保険労務士事務所では、日頃から企業の皆さまの労務管理や就業規則、人事制度、年金など、さまざまなご相談をお受けしています。

その一方で、私は独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構の相談・援助業務にも携わり、企業の高齢者雇用についての相談やアドバイスを行っています。

「高齢者を雇う」から「高齢者に活躍してもらう」へ

少子高齢化、人手不足が進む中、企業にとって高齢者雇用はますます重要なテーマになっています。

「定年を65歳に引き上げたい」
「70歳まで働ける制度を検討したい」
「再雇用制度を見直したい」
「高齢社員の賃金や評価制度をどうしたらよいか」
「若手社員への技能承継を進めたい」

企業を訪問すると、このようなご相談をいただくことがあります。

大切なのは、単に雇用年齢を延ばすことではありません。

高齢社員の経験や技術、知識を会社の力として、どのように生かしていくか。

ここまで考えて制度をつくることが重要だと感じています。

高齢社員には会社の財産があります

長年働いてきた社員には、その会社で積み重ねてきた経験があります。

仕事の進め方、お客様との関係、トラブルへの対応、現場で身につけた技術など、マニュアルだけでは伝えられないものも少なくありません。

こうした経験を若い社員へ伝えてもらうことは、会社にとって大きな財産になります。

一方、高齢社員にとっても、自分の経験が会社や後輩から必要とされることは、働く意欲につながります。

そのためには、年齢だけで一律に考えるのではなく、一人ひとりの能力、経験、健康状態、本人の希望などを踏まえた働き方を考えていくことが必要です。

65歳定年、70歳までの就業機会をどう考えるか

最近では、65歳への定年引上げや、その後の70歳までの就業機会について相談を受けることも増えています。

制度を変更する場合には、定年年齢だけを変更すればよいわけではありません。

賃金制度、退職金、役職、仕事内容、人事評価、勤務時間、再雇用制度、就業規則など、さまざまな制度との整合性を確認する必要があります。

特に重要なのが、**「60歳以降、どのような役割を担ってもらうのか」**という視点です。

役割が明確になれば、賃金や評価制度についても考えやすくなります。

高齢者雇用は若手社員のためでもあります

高齢者雇用というと、高齢社員だけの問題と思われるかもしれません。

しかし、私は若手社員にとっても大きな意味があると考えています。

ベテラン社員が持っている技術や経験を若手へ伝える仕組みをつくれば、会社全体の人材育成につながります。

「教える高齢社員」と「学ぶ若手社員」。

そこに管理職が関わり、お互いを褒める・認める・感謝する職場をつくることができれば、世代を超えて働きやすい会社になっていくのではないでしょうか。

制度をつくるだけで終わらせない

私は相談・援助業務を通じて、さまざまな企業の高齢者雇用について一緒に考えています。

そこで改めて感じるのは、制度は「つくって終わり」ではないということです。

実際に働く社員の声を聞きながら、

「この会社では、何歳になってもどのように活躍してもらいたいのか」

を考えることが大切です。

高齢社員が元気に働き、若手社員へ経験を伝え、若手社員が成長する。

そして会社も人材不足への対応や技能承継を進めることができる。

そんな会社・高齢社員・若手社員の三者にとってプラスとなる高齢者雇用を目指したいと思っています。

椎名社会保険労務士事務所でも、就業規則の見直し、定年延長、継続雇用制度、賃金・評価制度など、高齢者雇用に関するご相談をお受けしています。

これからも企業の皆さまと一緒に、「長く働ける会社」から「長く活躍できる会社」へ、より良い職場づくりを考えていきたいと思います。