事業場内みなし労働時間制

Q:外勤中心の営業部門について事業場外労働のみなし労働時間制を採用している会社があります。担当社員には業務用の携帯電話を貸与し勤務の開始と終了が把握できるので、みなし労働時間制は使えないのではないでしょうか?

A:時間の把握が無理なら可能
事業場外労働でみなし労働時間制を採用できるのは、労働時間を「算定し難いとき」に該当することが要件で、社外で随時使用者の指示を受けて動くような場合は適用できません(昭和62年1月1日基発1号)。
当該通達はポケットベル等が利用されていた時代のもので、使用者が随時外勤の労働者に指示を出し、労働時間を把握するケースは多くありませんでした。その後携帯電話の普及で把握が容易になり、社員に携帯電話を貸与する会社がみなし労働時間制を認められなかった裁判例も出てきました。
もっとも携帯電話を貸与しているからみなし労働時間制が採用できないということではなく、あくまで実質的に労働時間の把握ができるか否かが判断の分かれ目になると考えられます。