休業手当 平均賃金

▼欠勤控除は反映するか? 低廉になる平均賃金 休業手当支払いにつき
Q: 店舗改装の関係で会社都合の休業日が発生しますが、できる限り本人同意のうえで、年休を当ててもらう予定です。ところが、メンタル不調気味で年休をすべて消化し、さらに出・欠勤を繰り返している従業員がいます。当社は、欠勤時には月給の22分の1を控除していて、休業手当の支払いのために平均賃金を計算すると非常に低い額になります。そのまま支払って問題ないのでしょうか。

A:しなかった場合で計算を
 使用者の責めによる休業の場合、平均賃金の6割以上の休業手当を支払います。この平均賃金は、事由発生日以前3カ月の賃金総額を総暦日数で除した金額を用いるのが原則です(労基法12条1項)。
 ただし、日給・時間給制、出来高払い制その他請負制による場合は、3カ月の賃金総額を実際に労働した日数で除した金額の60%が最低保障額となります(同項1号)。
 この最低保障額は、賃金の一部または全部が日給等によって定められている場合についてのみ規定したもので、欠勤控除のある日給月給制には適用できないと解されています。「欠勤日の賃金を控除するため、月給について日割計算を行うことは賃金自体の計算に関することであって、それがため当該月給を日によって定められた賃金とみなすことはできない」からです(昭27・5・10基収6054号)。
 しかし、だからといって欠勤控除のある賃金制度で、単純に賃金総額を暦日数で除して計算すると、平均賃金が著しく低額となるケースがあります。このため、前掲解釈例規では、「労基法12条8項によるべき」と述べています。8項では、賃金が著しく不適当な場合等については、「厚生労働大臣の定めるところによる」としています。
 具体的には、告示(昭24・4・11労働省告示5号)に基づき、次の解釈例規が示されています(昭30・5・24基収1619号)。
 日給月給制(賃金が月によって定められ、かつ、その期間中の欠勤日数・時間数に応じて減額される制度)の場合、「欠勤しなかった場合に受けるべき賃金の総額をその期間の所定労働日数で除した額の60%」が最低限度となります。総額を暦日数で除した額が前記により計算した金額に満たないときは、この金額を平均賃金として休業手当を算定します。