職場で「注意」や「指導」が必要になる場面は多くあります。
遅刻が続く、報告を怠る、指示を守らない――。
そんなとき、上司は部下に対して注意を行いますが、
その目的は“叱ること”ではなく“成長を促すこと”にあります。
注意・指導は、社員が正しい方向へ軌道修正するためのサポート行為です。
感情的になって怒るのではなく、相手の行動を改善させるための“教育の一環”として行うことが重要です。
注意と指導の違い
「注意」は、その場での誤りを正す“短期的対応”です。
「次から気をつけよう」と伝えることで、意識を変えるきっかけを作ります。
一方、「指導」は、行動習慣の定着を目的とした“中長期的対応”です。
なぜその行動が問題なのか、どうすればよいのかを丁寧に説明し、
理解と納得を得ながら改善を促すプロセスが求められます。
注意・指導のポイント
感情ではなく事実を伝える
「なぜ遅れたの?」ではなく「8時開始の会議に8時10分に到着していたね」と、具体的な事実を伝えます。
人格を否定しない
「だらしない」などの人格批判ではなく、「提出期限を守るようにしよう」と行動に焦点を当てます。
再発防止のための話し合いを行う
「なぜ起きたのか」「次にどうするか」を一緒に考えることで、本人の主体性を引き出します。
フォローを忘れない
一度注意して終わりではなく、その後の変化を確認し、改善が見られたら「よくなったね」と認めることが大切です。
椎名社会保険労務士事務所からのひとこと
注意・指導は、「会社の秩序を守るため」だけでなく、「社員を育てるため」のものです。
人は誰でも失敗します。しかし、そのときにどう向き合うかで職場の雰囲気は大きく変わります。
上司が冷静に、そして思いやりをもって注意・指導を行うことで、
社員も「自分を見てくれている」と感じ、信頼関係が深まります。
椎名社会保険労務士事務所では、管理職研修や面談指導など、
現場で使える“伝え方”のサポートも行っています。
注意や指導の仕方に悩んだときは、ぜひ一度ご相談ください。