「キャリアアップ助成金」のうち、「処遇改善コース(賃金テーブル改定)」は、すべてまたは一部の有期契約労働者等(短時間労働者、派遣労働者を含む)の基本給の賃金テーブル等を2%以上増額改定し、昇給させた場合に助成するものです。
さらに、処遇改善に当たって「職務評価」を活用した場合は、職務評価加算を受けることができます。 パートタイム労働者などの仕事の大きさ(業務内容・責任の程度)と処遇のバランスが取れるよう、ぜひ、「職務評価」の活用をご検討ください。
【職務評価とは 】
職務の大きさ(業務内容・責任の程度)を比較し、その職務に従事する労働者の待遇が、職務 の大きさに応じたものとなっているかどうか、現状を把握することをいいます。
職務評価加算を受ける際の職務評価の手法は、単純比較法、分類法、要素比較法、要素別点数 法のいずれの手法を使っても構いません。ただし、単純比較法と分類法により職務評価を実施す る場合は、職務分析も実施することが必要です。
なお、職務評価は、個々の労働者の仕事ぶりや能力を評価(人事評価・能力評価)するものと は異なります。
【中堅卸・小売業のA社の例】
社内の閉塞感を打破するために社員調査を実施し、その結果をもとに社員の活力向上のための人事制度再構築を決定A社は、地域に根差して複数の店舗を展開する卸・小売業(正社員約400名、パートタイム労働者約1,500名)である。人事制度を改定する以前のA社には、「役職を外れても基本給は高いまま」、「仕事を頑張っても何も変わらないし、変えなくてもいい」といった言葉に代表されるように、社内において「新しいことを生み出そうとする社員が動きにくい」というような閉塞感があった。そのため、経営層には、このままでは競合他社の出店攻勢に十分に対応できないとの問題意識が生じていた。そのような中で、経営層は社内の閉塞感の要因を探るため、アンケートや聞き取りによる社員調査を実施し、その結果をもとに、新しい人事制度の構築に着手した。2010年の人事制度の見直しにあたり、職種別の市場価値を重視した。賃金制度を整備するため、職務(役割)評価を実施した。