~制度の理解と適切な対応が重要です~
近年、人材確保の観点から、パート社員や契約社員などの有期雇用労働者を無期雇用へ転換する企業が増えています。
長く働いてもらうことができるため、企業にとっても大きなメリットがあります。
しかし、無期雇用への転換には、法律上のルールや注意すべきポイントがあります。今回は、有期雇用者を無期雇用にする際の注意事項について解説いたします。
1.無期転換ルールを理解する
労働契約法では、有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合、労働者が申し込めば無期労働契約へ転換できると定められています。
これを「無期転換ルール」といいます。
例えば
・1年契約を5回更新
・6か月契約を10回更新
このように、通算契約期間が5年を超えると無期転換申込権が発生します。
企業はこの制度を理解し、適切に対応することが必要です。
2.労働条件の整理が必要
無期雇用へ転換した場合、契約期間は「期間の定めのない契約」になりますが、その他の労働条件はそのまま引き継がれることが原則です。
例えば
・勤務時間
・賃金
・仕事内容
・勤務地
などは、基本的に転換前と同じ条件となります。
企業としては、
「無期社員の位置付けをどうするか」
「正社員とどう区別するか」
などを整理しておくことが大切です。
3.就業規則の整備
無期転換者を受け入れる場合は、就業規則の整備も重要です。
例えば
・無期転換社員の区分
・処遇
・昇給
・賞与
・定年
などを明確にしておくことで、トラブルを防ぐことができます。
就業規則に「無期転換社員」という区分を設ける企業も増えています。
4.雇止めトラブルに注意
企業によっては、無期転換を避けるために5年到達前に契約更新を打ち切るケースがあります。
しかし、これが合理的理由のない雇止めと判断されると、トラブルになる可能性があります。
雇止めの判断には
・業務の必要性
・契約更新の期待
・過去の更新状況
などが考慮されます。
そのため、安易な雇止めは避け、慎重な判断が必要です。
5.人材確保の観点から考える
人手不足が続く中、長く働いてくれる人材は企業にとって貴重な存在です。
無期雇用へ転換することで
・定着率の向上
・モチベーションの向上
・人材確保
といった効果が期待できます。
制度を正しく理解し、企業と従業員双方にとって安心して働ける環境づくりを進めることが重要です。
まとめ
有期雇用者の無期転換は、企業にとっても働く人にとっても大切な制度です。
ポイントは次のとおりです。
・無期転換ルールを理解する
・労働条件を整理する
・就業規則を整備する
・雇止めトラブルを防ぐ
椎名社会保険労務士事務所では、
無期転換制度への対応、就業規則の整備、人事制度の見直しなどのご相談を承っております。
企業が安心して人材を活かせるよう、労務管理の面からサポートいたします。
椎名社会保険労務士事務所
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