基本手当へ影響あるか 受給中に就労したら 短期かつ断続的な場合で
Q:工場内設備の改修作業を、通常業務の合間を縫って実施します。その方面の経験のある従業員が作業指揮をしますが、「以前に一緒に仕事をしていた仲間に手伝ってもらいたい」といいます。ところが、その仲間の一人が現在、雇用保険を受給中ということです。短期で断続的に就労した場合、基本手当の受給にどのような形で影響が出るのでしょうか。
A:全期間就労扱いの要件が
基本手当の受給資格の決定を受けた離職者は、指定された認定日にハローワークに出頭し、失業の認定を受けます(雇保法15条)。原則として4週間を1サイクルとし、出頭日の直前の28日間を対象として「労働の意思・能力を有するにもかかわらず、就職できなかった」日数を確認します。
その際、受給資格者は「就職または就労した日」を失業認定申告書に記載します。就職・就労した日があれば、その日数を28日から差し引いたうえで、基本手当が支給されます。カットされた日数分の基本手当は権利が失われるのではなく、翌期以降にキャリーオーバーされる形になります(原則、離職の翌日から1年以内)。
基本的な考え方は、1日ごとに就職・就労の有無を確認するというものです。しかし、日雇でない期間契約の場合、「公休日をどう計算するか」という問題が生じます。
たとえば、この機会に、会社が「雇用保険を受給中の方」をパート採用したとします。週の労働時間20時間以上、雇用期間見込31日以上等の条件を満たせば、雇用保険の被保険者となります。
この場合、一の雇用契約に基づいて就労している期間は、「実際に就労しない日(公休日等)」も就労日として取り扱われ、基本手当の支給対象となりません(雇用保険業務取扱要領)。
被保険者とならなくても、「契約期間7日以上・週所定労働時間20時間以上であって、週の就労日数4日以上」のときは、契約期間すべてが就労日とみなされます。
それ以外の短期契約なら、「実際に就労した日ごとの契約」とみなして、基本手当の支給日数が決定されます。
ですから、改修作業に必要な期間・日数も考慮しつつ、どのような内容で労働契約を結べば、本人にとって、もっとも有利になるかを検討する必要があります。