企業における人材育成の鍵は、「的確な仕事の指導」にあります。指導力の高い上司がいる組織は、部下の成長スピードが早く、離職率も低くなる傾向にあります。では、どのような指導が効果的なのでしょうか。今回は、実践的な仕事の指導方法についてご紹介します。
1. まず「信頼関係」づくりから始める
指導の前提として大切なのは、上司と部下との信頼関係です。信頼がなければ、どんなアドバイスも届きません。日頃からの声かけや、相手の話をよく聞く姿勢が土台になります。
朝の挨拶を欠かさない
小さな成果にも「ありがとう」「助かったよ」と伝える
ミスを責めず、原因と解決策に目を向ける
2. 「見せて教える」が基本
仕事は「言葉」だけでなく、「行動」で伝えることが大切です。
実際にやってみせる(OJT:On the Job Training)
一緒にやってみる
最後に本人にやらせてみる
このような段階的な指導により、理解度と自信が深まります。
3. 指導のタイミングは「即時・具体的」に
良かった点や改善すべき点は、できるだけその場で具体的に伝えるようにしましょう。
✕「もっとちゃんとやって」
〇「報告書の冒頭に要点を3行でまとめてくれると、読みやすくなるよ」
即時かつ具体的なフィードバックは、部下の成長を促す効果的な手段です。
4. 「叱る」ではなく「気づかせる」
厳しい言葉で叱るよりも、相手が自分で課題に気づけるように導くことが大切です。
「今回の結果について、どう感じてる?」
「もし次にやるとしたら、どんな工夫をする?」
問いかけを通して自発的な成長を促しましょう。
5. 成長に合わせて関わり方を変える
新人には手厚く、中堅には任せて見守る。部下の成長段階に応じて、指導の方法も変化させることが重要です。
「ティーチング(教える)」から「コーチング(引き出す)」へ
自立型人材へと導く関わり方を意識しましょう
まとめ
仕事の指導は、「育てること」に焦点を当てた関わりです。上司が部下の可能性を信じ、粘り強く向き合うことで、職場に活気と信頼が生まれます。
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