社員紹介制度

「社員紹介制度」とは、会社が自社の社員に対し、「あなたの知り合いに、当社への転職を希望する人がいたら紹介してください」と依頼し、その紹介によって入社が決まったり、一定期間在籍したりすれば、紹介した社員に何らかの報酬が支払われるという制度です。

【社員紹介制度を導入する理由】
なぜ会社が社員紹介制度を導入するのかというと、次の2つの理由があると言われています。
第1に、採用コストの削減です。
大手の求人誌やWEB媒体に求人広告を掲載すると、1回で数万円から数十万円の掲載料が発生するのが通常です。また、ヘッドハンティング会社などを用いた場合には、転職者の年収の30%~40%が成功報酬の相場だと言われています。これに対し、社員紹介制度を導入すれば、上記のような高コストな採用方法に頼らなくても人材を集められる可能性があります。
第2に、ミスマッチの防止です。
確かに、コストだけに限って言えば、ハローワークへ求人を出せば求人費用は一切かからないので、もっともローコストです。しかし、ハローワークは誰でも求人に応募できるので、会社が望んでいない人材が応募をしてくる可能性も高い。また、面接数回だけで人物を見極めるのも至難の業なので、雇用してみてミスマッチが判明することも少なくありません。
この点、社員紹介制度では、社員が、ビジネス上や日常の付き合いのある人の中から「この人だったら紹介しても大丈夫」という確信を持った上で会社に紹介するので、高い確率でミスマッチを防ぐことができます。
逆に、デメリットとしては、過度に社員紹介制度に頼りすぎると、派閥の温床になったりするケースもありますが、その点に注意をすれば、基本的には会社にとって有益な制度と言えるでしょう。