「かとく」とは、正式名称を過重労働撲滅特別対策班といい、厚生労働省の指揮のもと、悪質な長時間労働や重大な労働基準法違反が疑われる事業場に対して、集中的な監督指導を行う専門チームです。
長時間労働や過労死等が社会問題化する中で設置され、重大・悪質な事案については、通常の監督指導にとどまらず、司法処分(書類送検)を視野に入れた対応を行います。
「かとく」が動くケースとは?
主に次のようなケースが対象となります。
月80時間を超える時間外労働が常態化している
36協定を超える違法な残業
賃金不払残業(いわゆるサービス残業)
過労死や重大な労災事故が発生している
内部通報や申告があり、悪質性が高いと判断された場合
特に近年は、SNSや匿名通報制度の普及により、企業の労務管理の透明性がより厳しく問われる時代になっています。
法的根拠は?
長時間労働の規制は、労働基準法を中心に定められています。
2019年施行の働き方改革関連法により、時間外労働の上限規制が法律上明確化されました。
原則:月45時間・年360時間
特別条項付きでも:年720時間以内
単月100時間未満(休日労働含む)
複数月平均80時間以内
これらを超えれば、企業名公表や送検の対象になる可能性があります。
「うちは大丈夫」は本当に大丈夫?
過重労働の問題は、「忙しいから仕方がない」「本人が希望して残業している」という理由では正当化されません。
特に以下の管理は重要です。
客観的な労働時間の把握(タイムカード・ICカード・勤怠システム)
36協定の適正締結・届出
医師による面接指導(80時間超)
管理監督者の範囲の適正判断
固定残業代制度の適法設計
形式だけ整えても、実態が伴っていなければリスクは回避できません。
経営者に求められる視点
過重労働対策は「取り締まり対策」ではありません。
本来は「従業員の命と健康を守る経営」の実践です。
椎名社会保険労務士事務所では、
労働時間制度の見直し
業務分担の再設計
管理職研修による意識改革
就業規則・36協定の整備
是正勧告対応支援
など、予防型の労務管理を重視しています。
まとめ
「かとく」は、企業を罰するためだけの存在ではありません。
社会全体で過重労働をなくすための仕組みです。
しかし、実際に調査対象となれば、企業経営への影響は非常に大きなものになります。
大切なのは、
問題が起きてから対応するのではなく、起きない体制を整えること。
「うちは本当に大丈夫か?」
その確認こそが、健全経営の第一歩です。
過重労働対策の見直しについては、
地域に根ざした労務の専門家、椎名社会保険労務士事務所までお気軽にご相談ください。
本日も、明るく元気な職場づくりを応援しています。