定額残業代制度、導入・運用の注意点とは 〜トラブルを防ぐために社労士と考える〜 椎名社会保険労務士事務所

こんにちは。
千葉県匝瑳市の椎名社会保険労務士事務所です。

企業の人件費設計や労働時間管理の一環として、「定額残業代制度(みなし残業)」を導入している企業も多いのではないでしょうか。しかし、導入や運用の仕方を誤ると、無効と判断されたり、過去にさかのぼって残業代を請求されたりするリスクがあります。

今回は、定額残業代制度の基本と、導入・運用時に注意すべきポイントを解説いたします。

定額残業代制度とは?

「定額残業代制度」とは、一定時間分の時間外労働に対して、あらかじめ給与に残業代を組み込んで支給する仕組みです。

たとえば、「月30時間分の時間外手当として、月額5万円を基本給とは別に支給する」というような形です。毎月の残業時間に関係なく一定額が支払われるため、給与計算が簡便になるというメリットもあります。

適正な制度設計がされていないと「無効」になる!

定額残業代制度は、以下のような法的要件を満たしていないと無効と判断されるおそれがあります。

✅ 1. 就業規則や労働契約書での明記

定額残業代制度を導入する際には、「基本給」と「固定残業代」を明確に区別し、労働条件通知書や雇用契約書、就業規則等に記載することが必要です。

例:基本給200,000円+固定残業代50,000円(30時間相当)

✅ 2. 割増賃金としての性格を持つこと

支払われる定額残業代は、実際の残業時間に対する割増賃金と対応していなければなりません。また、実際の残業時間が定額分を超えた場合は、超過分について追加で支払う必要があります。

✅ 3. 残業時間と金額の明確な対応関係

「◯時間分の残業代として◯円を支払う」という根拠のある設計でなければ、実際の割増率と見合わないと判断されるリスクがあります。

よくあるトラブル事例

「定額残業代を払っているから残業代は支払い不要」と誤解していた

実際の残業が月60時間に及んでいるのに、30時間分しか支払われていない

労働条件通知書に定額残業代の明記がなく、後に従業員から請求を受けた

営業手当や職務手当として定額残業代を払っていたが、性質が曖昧で無効とされた

トラブルを防ぐために、社労士ができるサポート

当事務所では、定額残業代制度の導入や見直しにあたり、以下のようなサポートを提供しています。

✅ 制度導入に向けた就業規則・労働条件通知書の整備

✅ 適正な時間数と金額の設計アドバイス

✅ 社内説明会の実施サポート

✅ 労働基準監督署からの是正勧告対応支援

最後に 〜「制度を守る」は「従業員を守る」〜

定額残業代制度は、上手に活用すれば人件費の見通しを立てやすくし、労務管理の効率化にもつながります。しかし、導入や運用を誤ると、企業の信用や財務に大きな影響を及ぼすこともあります。

制度を適切に運用することは、従業員の安心にもつながります。もし現在の制度に不安がある場合は、ぜひ一度、当事務所までご相談ください。

椎名社会保険労務士事務所では、企業の「人」と「組織」の課題を共に解決するパートナーとして、労務管理のアドバイスを提供しています。

お気軽にお問い合わせください!

遺族年金請求代行で安心を届ける ~ご遺族の負担を軽減し、確実な手続きをサポートします~ 椎名社会保険労務士事務所

人生には、突然の別れが訪れることがあります。
愛するご家族を失い、深い悲しみの中にいるとき、役所への手続きや年金の申請にまで気を配るのは、心身ともに大きな負担です。

そんな中、「遺族年金」の制度は、ご遺族の生活を支える大切な制度です。しかし、

手続きが複雑で分かりにくい

必要書類が多く、どこから手を付ければよいかわからない

年金事務所でのやりとりが心配

といったお声を多くいただきます。

そこで、私たち椎名社会保険労務士事務所では、遺族年金の請求代行を通じて、ご遺族の皆さまを全力でサポートしています。

■ 遺族年金とは?

遺族年金とは、被保険者(故人)の死亡によって生計を維持していた遺族が受け取る年金給付です。大きく以下の2種類があります。

① 遺族基礎年金

国民年金に加入していた方が亡くなった場合に支給されます。主に子のある配偶者または子が対象です。

② 遺族厚生年金

厚生年金に加入していた方が亡くなった場合に支給されます。配偶者、子、父母、孫、祖父母に受給権があります(要件あり)。

■ よくあるご相談

当事務所に寄せられる声の一部をご紹介します。

「どの年金が自分に該当するのか分からない」

「死亡届を出したが、その後の手続きが不安」

「配偶者が再婚したら受給できないって本当?」

「必要書類を揃えるのが難しい」

「年金事務所に行く余裕がない」

ご相談者の多くが、情報の多さと制度の複雑さに戸惑っています。
そのまま手続きを放置してしまうと、「時効により受給できない」といったケースもあります。

■ 社労士が代行するメリット

椎名社会保険労務士事務所では、遺族年金の請求代行を通じて、以下のメリットをご提供します。

✔ 書類の準備・記入をサポート

必要書類のリストアップから、申請書の記入代行まで丁寧に対応します。

✔ 複雑な要件を分かりやすく説明

遺族年金の受給条件や併給調整など、制度の仕組みを丁寧にご説明します。

✔ 年金事務所とのやりとりを代行

ご遺族に代わって、年金事務所とのやりとりや手続きを進めます。

✔ 時効リスクの回避

申請には期限があります。早めの対応で受給漏れを防ぎます。

■ ご相談は

「何から始めればいいかわからない」「自分が対象かどうか知りたい」といった場合も、お気軽にご連絡ください。

遺族年金の請求は、ただの手続きではありません。ご家族の未来を支える大切な一歩です。
私たちは、その一歩に寄り添い、誠実にサポートいたします。

■ おわりに

大切な人を失ったときこそ、確かな手続きが安心を生みます。
椎名社会保険労務士事務所では、年金制度に精通した専門家として、ひとつひとつのご家族に寄り添った対応を大切にしています。

どうか一人で悩まず、ぜひ私たちにご相談ください。
皆さまの「不安を安心に変える」お手伝いができれば幸いです。

商工会の創業塾を担当しています ~地域の未来をつくる支援の場から~ 椎名社会保険労務士事務所

椎名社会保険労務士事務所の椎名です。
現在、私は商工会の創業塾を担当させていただいております。地域で新しい一歩を踏み出そうとする方々と一緒に学び合い、未来を形づくるお手伝いをすることは、大きなやりがいであり責任でもあります。

創業塾の魅力とは?

創業塾は、これから起業を考えている方や、すでに小さな一歩を踏み出した方が集まり、基礎知識から実践的な経営ノウハウまで体系的に学べる場です。
特に地方の商工会が主催する創業塾は、地域に根ざした支援が強みであり、実際に参加者同士のネットワークづくりにもつながっています。

社労士としての役割

私が担当するのは、特に労務管理や社会保険・労働保険の基礎知識、そして人を雇う際に必ず押さえておくべきルールです。
「知らなかった」では済まされない法律や制度を、実例を交えながらわかりやすく解説することで、創業者が安心して経営を進められるようサポートしています。

例えば、

従業員を雇う際の労働条件通知書の作成方法

労働時間や残業管理の基本ルール

社会保険や労災保険の手続きの流れ

雇用助成金の活用方法

こうした実務的な内容は、起業後にすぐ役立つものばかりです。

参加者との対話から学ぶこと

創業塾の醍醐味は、受講者の熱意やアイデアに触れられることでもあります。
「地域に新しいサービスを届けたい」
「自分の経験を活かして独立したい」
そんな想いに耳を傾けると、こちらも自然と背筋が伸びます。

また、質問を受けながら「なるほど、その視点があったか」と気づかされることも多く、講師でありながら一緒に学ばせてもらっている感覚です。

創業者へのエール

起業は期待と同時に不安も伴います。
特に人を雇う段階になると、「雇用契約」「社会保険」「安全配慮義務」など、知らなければならない知識が一気に増えます。

しかし、正しい知識を学んで準備をすれば、安心して事業を伸ばすことができます。
創業塾で学んだことを現場で活かし、「地域に根ざした事業」として成長していく姿を見られることが、私たち社労士にとっても大きな喜びです。

まとめ

商工会の創業塾は、単なる勉強の場ではなく、地域の未来を支える仲間づくりの場でもあります。
椎名社会保険労務士事務所は、これからも創業者の皆さまと共に歩み、安心して事業を進められる環境づくりをお手伝いしてまいります。

✨「挑戦したい!」その気持ちを、労務・社会保険の面から全力でサポートいたします。

小さなことから始める職場改革 椎名社会保険労務士事務所

企業の経営者や管理職の方から、よく次のような相談をいただきます。
「職場の雰囲気を良くしたいが、何から手をつけてよいか分からない」
「大きな改革は難しいが、小さな改善で変化を生み出したい」

実は、**職場を良くする第一歩は“日々の小さな行動”**にあります。

なぜ「小さなこと」から始めるのか

人は大きな変化を求められると、抵抗感や不安を感じやすいものです。
しかし、挨拶をする、感謝の言葉を伝える、机を整理整頓するといった小さな行動なら、すぐに実行でき、職場全体の空気を少しずつ変える力を持っています。

たとえば、朝「おはようございます」と笑顔で声をかけるだけで、周囲の雰囲気は和らぎます。こうした小さな積み重ねが、職場全体の信頼や協力体制を強めていくのです。

小さな一歩の具体例

挨拶の習慣化
 毎日、必ず笑顔で挨拶をする。たったそれだけで職場の空気が変わります。

ありがとうを言葉にする
 「助かりました」「ありがとう」と声をかけることで、相手のモチベーションが高まります。

5分間の片づけ
 始業前や終業後に机周りを整理するだけで、仕事の効率が上がります。

一日一度、声をかける
 部下や同僚に「調子はどう?」と気軽に声をかけるだけで、信頼関係が深まります。

小さな変化が大きな成果につながる

「笑顔の挨拶」や「ありがとうの言葉」といった小さなことは、直接的に利益を生むわけではありません。
しかし、それらが積み重なった職場は、社員の定着率が上がり、業務効率が改善され、結果的に企業の発展につながるのです。

椎名社会保険労務士事務所では、こうした「小さな一歩」を後押しし、職場の雰囲気改善や労務管理のアドバイスを行っています。

まとめ

改革は大きなことからではなく、小さな一歩から始まる

「挨拶・ありがとう・整理整頓」が最初の効果的な一歩

小さな変化が積み重なり、やがて大きな成果を生む

今日からできる小さなことを一つ決めて、実行してみませんか?
その積み重ねが、必ず職場をより良い場所へと導いていきます。

新入社員研修で未来の職場を育てよう (椎名社会保険労務士事務所)

新年度が始まりもうすぐ半年がたちます。多くの企業で新入社員を迎え、社会人としての第一歩を踏み出すこの時期またはこの時期が、企業にとっても職場づくりを見直す絶好のタイミングです。

当事務所では、企業様の新入社員研修のサポートを行っております。社会保険労務士として、労働法や社会保険の知識だけでなく、「明るく元気な職場づくり」の観点から、実践的で温かみのある研修プログラムをご提案しています。

新入社員がつまずくポイントとは?

入社直後の新入社員が不安を感じやすいのは、次のような点です。

「報連相をどうすればいいかわからない」

「有給休暇っていつから取れるの?」

「職場の雰囲気がつかみにくい」

これらはすべて、入社時の適切な研修によって解消できます。

研修の中で大切にしていること

私たちが提供する新入社員研修では、次の3つの視点を大切にしています。

法律の基礎をやさしく学ぶ
 労働基準法や社会保険のしくみを、図や例を交えてわかりやすく説明します。

明るく元気な職場文化を体験する
 「おはようございます」「ありがとう」が自然に飛び交う職場の大切さを伝えます。

グループワークで自分の考えを表現する
 「こんなときどうする?」「理想の職場とは?」などをテーマに対話形式で深めます。

研修を通して育てたい“仲間意識”

社会人としての知識だけでなく、「一緒に頑張ろう」「困っていたら声をかけよう」という気持ちを育むことも大切です。グループワークやロールプレイを通して、お互いの人柄を知る時間を多く取り入れています。

‍ 研修後の声

研修に参加した新入社員からは、

「ルールだけでなく、職場のあたたかさを感じられた」

「困ったときに誰に相談すればいいかが明確になった」

「社会保険って難しいと思っていたけど、身近に感じた」

という感想をいただいています。

最後に

新入社員の最初の一歩が、将来の職場全体の雰囲気を左右します。椎名社会保険労務士事務所では、労務管理の専門家として、法律面のサポートはもちろん、心の通う職場づくりを全力で応援いたします。

「明るく元気な職場は、新入社員から始まる。」

そんな未来を一緒に描いてみませんか?

求職者に選ばれる企業とは? 椎名社会保険労務士事務所

労働力人口の減少、働き方の多様化、若年層の価値観の変化——採用市場は日々変化しています。
そんな中で「良い人材がなかなか集まらない」という声を多く聞きます。
実は、求人広告の内容や発信方法が、応募の数・質に大きく影響しているのです。

求人広告は「会社の第一印象」

求人広告は、言わば企業の名刺です。
どれだけ素晴らしい職場であっても、魅力が伝わらなければ候補者の心には響きません。
逆に、広告の工夫次第で、「ここで働いてみたい!」という興味を喚起できます。

よくあるNG例

内容が堅すぎて伝わらない

時給や待遇しか載っていない

同じ言い回しを他社と使いまわしている

写真や雰囲気がない

魅力的な求人広告に必要な3要素

感情に訴える言葉
 例:「子育て中のスタッフも活躍中」「未経験から始めた先輩も今や中心メンバー」

働く人の顔が見える表現
 写真・社員の声・エピソードを入れると「ここで働く自分」を想像しやすくなります。

会社のビジョンや姿勢を明記
 ただ「人手がほしい」ではなく、「一緒に地域を支える仲間を募集しています」といったメッセージ性。

採用に成功している企業の特徴

椎名社会保険労務士事務所が支援している企業の中には、求人広告を改善しただけで応募者が3倍以上に増えた事例もあります。

たとえば――

JAの組織で地域貢献を前面に出した求人広告

建設会社が“安全大会で表彰された職場”とPRした採用ページ

眼科クリニックが“笑顔と挨拶があふれる職場”として写真付きで掲載

どの企業も共通しているのは、「自社の強み・魅力」を自分の言葉で伝えていることです。

SNS・ホームページ・紙媒体の使い分け

現代の採用活動では、複数のメディアを活用することが鍵です。

媒体 特徴
ハローワーク 幅広い年代に届くが、工夫が必要
自社ホームページ 企業の魅力を最大限伝えられる
SNS(Instagram・Facebook) 現場のリアルな雰囲気を日常的に発信可能
チラシ・地域紙 地元採用に効果大、信頼感も強い
最後に:求人広告は「ラブレター」

求人広告は、ただ人手を募集するだけではなく、
「私たちの仲間になってください」という熱意を伝えるラブレターです。

作成にあたっては、労働条件の明示義務や、求人票との整合性など法的な観点にも注意が必要です。
椎名社会保険労務士事務所では、法令遵守+魅力ある求人発信の両立支援を行っています。
お気軽にご相談ください。

企業向けサポートメニューのご案内

魅力ある求人広告の添削・作成支援

ハローワーク・求人媒体活用セミナー

採用面接官向け研修

定着率向上のための職場改善コンサルティング

「人が集まる会社」づくりは、求人広告から始まります。
あなたの会社の魅力を、もっと世の中に発信してみませんか?


椎名社会保険労務士事務所
地域企業の採用と職場づくりを応援します!

高齢者に活躍の場を 〜経験は企業の財産〜 椎名社会保険労務士事務所

少子高齢化が加速する中、「高齢者が働き続ける社会」が現実のものとなりつつあります。60歳、65歳で定年を迎えても、まだまだ元気で働きたい、社会とつながっていたいと願う高齢者は少なくありません。そしてその思いは、企業にとっても大きなチャンスです。今回は「高齢者に活躍の場を」というテーマで、企業の視点から高齢者雇用の意義と実践のポイントについて考えてみましょう。

高齢者雇用のメリットとは?

高齢者の雇用には、企業にとってさまざまなメリットがあります。

1. 経験と知識の継承

長年の経験から培われた技術やノウハウは、企業の大切な財産です。特に製造業や建設業、小売業などでは「職人技」が若手に受け継がれることが、品質や顧客満足に直結します。高齢者は、次世代の育成において非常に重要な役割を果たします。

2. 安定した労働力の確保

若年層の労働人口が減少している現在、人材確保は多くの企業にとって深刻な課題です。高齢者は定着率が高く、まじめで安定した勤務態度が期待できます。フルタイムでなくても、週2〜3日の勤務や短時間勤務でも戦力として活躍してくれるケースは多いのです。

3. 職場の雰囲気向上

人生経験の豊富な高齢者がいることで、職場の人間関係が柔らかくなる、若手が安心して相談できる、といった声もあります。「世代間交流」が自然に生まれ、職場の風通しが良くなるのです。

雇用継続制度と定年後の選択肢

高年齢者雇用安定法により、企業には65歳までの雇用確保義務がありますが、70歳までの就業機会確保が努力義務とされています。以下のような制度の活用が有効です。

継続雇用制度の導入(再雇用)
定年後も本人の希望と能力に応じて、契約社員や嘱託職員として再雇用する制度です。

業務の見直し・再設計
体力に配慮し、負担の少ない業務への配置転換や、短時間勤務制度の導入も重要です。

技能講師・社内トレーナーとしての活躍
直接現場で働くのではなく、後進の指導やマニュアル作成などで貢献してもらう方法もあります。

高齢者が安心して働ける職場づくり
1. 年齢による差別の排除

年齢に関係なく評価され、尊重される職場風土が求められます。「年寄り扱い」ではなく、「尊敬される先輩」として接することが鍵です。

2. 健康管理と安全配慮

高齢者の健康状態や体力に配慮し、定期的な健康チェックや安全衛生教育を実施することも大切です。

3. やりがいと居場所の提供

「まだ必要とされている」という実感が、働く意欲につながります。小さな仕事でも責任ある役割を任せることで、モチベーションは高まります。

企業と高齢者、双方にとっての「活躍の場」

高齢者の活躍は、企業にとっても社会にとっても価値あるものです。人手不足に悩む中小企業こそ、柔軟な制度と温かい受け入れ体制を整えることで、大きな力を得ることができます。

椎名社会保険労務士事務所では、継続雇用制度の整備や高齢者の職場環境づくりのご相談を承っております。年齢に関係なく、誰もが輝ける職場づくりの一歩を、私たちと一緒に始めてみませんか?

「人生100年時代」— まだまだ現役。高齢者の力を、地域と職場の力に!
ご相談はお気軽に、椎名社会保険労務士事務所まで。

振替休日と代休の違い、正しく理解できていますか? 椎名社会保険労務士事務所

こんにちは。千葉県匝瑳市の椎名社会保険労務士事務所です。
今回は、労務相談でよく取り上げられるテーマのひとつ、「振替休日」と「代休」の違いについて解説します。
労働時間の適正な管理が求められるなか、特に休日出勤を行った際の対応について誤解されている企業も少なくありません。正しい知識をもとに、労使トラブルを防ぎましょう。
■ 振替休日とは?
● 定義とポイント
「振替休日」とは、あらかじめ与えるはずだった法定休日を他の日に変更することです。
たとえば、会社が日曜日を法定休日と定めている場合、日曜日に出勤してもらい、その代わりに翌週の水曜日を休日とするなど、事前に休日と労働日を入れ替える形になります。

● 法的な位置づけ
振替休日として正しく設定すれば、出勤した日(例:日曜日)は平日扱いとなり、休日労働には該当しません。したがって、休日割増賃金(35%以上)は不要になります。

● 要件
就業規則に振替休日制度が規定されていること
事前に労働日と休日の入れ替えを命じること(事前通知)

■ 代休とは?
● 定義とポイント
一方で「代休」とは、休日に労働させたあと、別の日に休みを与えることです。
これは、あくまで休日労働の代償として休ませる措置であり、休日出勤の事実は消えません。

● 法的な位置づけ
代休制度を導入していても、休日に労働させた事実がある限り、休日労働とみなされ、休日割増賃金(35%以上)が必要となります。
つまり、代休を与えても、割増賃金の支払い義務は残るという点が重要です。

■ よくある労務相談の例
Q:社員に日曜日出勤をお願いし、水曜日に休ませました。これは振替休日?代休?
→事前に「水曜日を休日とする」と明確に伝えていた場合は振替休日ですが、事後に「代わりに休んで」と伝えた場合は代休です。
したがって、後者は休日割増賃金が必要になります。

■ トラブル防止のために必要なこと
就業規則で明確に定めること
 振替休日制度や代休制度が曖昧なままだと、労使間の誤解やトラブルの原因になります。

事前の運用ルールと記録
 振替休日を適用する場合は、事前に書面やシステムで明確に指示・記録を残すことが大切です。

給与計算への正確な反映
 代休制度で休日出勤を行った場合、必ず割増賃金を計算に反映しましょう。

■ 椎名社会保険労務士事務所からのご提案
当事務所では、以下のようなサポートを行っています。
振替休日・代休制度の就業規則への規定提案
給与計算への正しい反映方法の指導
労働時間管理や休日管理の仕組みづくり
労働基準監督署対応のアドバイス
「うちの運用は正しいのだろうか?」とお悩みの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

■ 最後に
「振替休日」と「代休」は似て非なる制度です。
どちらも従業員の健康を守りつつ、企業として法令を遵守するために不可欠な知識です。
椎名社会保険労務士事務所では、企業の実情に応じたアドバイスと制度設計を通じて、**「明るく元気な職場づくり」**を応援しています。
お気軽にご相談ください!

健康診断は「企業の元気」のバロメーター ~社員の健康が会社の力をつくる~ 椎名社会保険労務士事務所

こんにちは。椎名社会保険労務士事務所です。

毎年訪れる「健康診断」。
従業員の皆さんのなかには、「面倒だな」と思いながら受診している方もいるかもしれません。しかし、この健康診断こそが、会社にとっても、従業員にとっても非常に大切な「気づきのチャンス」だということをご存じでしょうか?

■ 健康診断は義務です

まず、法的な側面からお話しします。
労働安全衛生法により、事業者(会社)は従業員に対して年1回の定期健康診断(常時雇用の方)を実施することが義務付けられています。さらに、深夜業務や有害業務に従事する労働者については特殊健康診断の対象となります。

健康診断を実施しない、または結果を放置していると、労働基準監督署からの是正勧告の対象になることもあります。

■ 健康診断は「予防」の第一歩

健康診断の目的は、「病気の早期発見・早期治療」だけではありません。
生活習慣の見直しや、働き方の改善につながるきっかけを提供する「予防医療」の側面が強くなっています。

たとえば、以下のような事例が実際にあります。

血圧が高めだったことで精密検査を受け、高血圧症が発覚し、生活習慣の改善へつながった

肝機能の異常が見つかり、日頃の飲酒量を減らすきっかけになった

高血糖の指摘により糖尿病予備軍としての自覚が生まれた

これらの「気づき」が将来的な大きな病気を防ぎ、労働力の維持にもつながるのです。

■ 企業にとってのメリットとは?

健康診断を適切に実施し、結果に基づいたフォローアップを行うことは、企業にとっても大きなメリットがあります。

労働生産性の向上
 健康な体があってこそ、集中力もパフォーマンスも維持できます。

休職・離職のリスク低下
 未然に健康問題を把握できれば、病気による長期休職や離職の防止になります。

企業イメージの向上
 社員の健康を大切にする企業は、応募者や取引先からの評価も高まります。

労災リスクの低下
 体調不良による事故を防ぐことは、安全配慮義務を果たすことにもつながります。

■ フォロー体制を整えましょう

健康診断の実施だけでなく、その**「結果を活かす体制」**がとても重要です。

結果を踏まえた産業医の面談

高リスク者への再検査や通院の勧奨

健康意識を高める研修やセミナーの実施

健康相談窓口の設置

これらの取り組みが、従業員一人ひとりの健康を守るだけでなく、企業全体の活力にも直結します。

■ 健康診断をきっかけに「健康経営」へ

最近では、従業員の健康を企業戦略として取り組む「健康経営」の考え方も注目されています。

「健康診断は会社の義務だから受けさせている」ではなく、
「社員の未来と会社の未来を守るために、健康づくりに取り組んでいる」――
そんな姿勢を社内外に発信することが、人材確保や企業価値向上にもつながるのです。

椎名社会保険労務士事務所では…

健康診断実施のご相談から、結果の活用方法、労働安全衛生体制の整備、ストレスチェック制度の導入支援、健康経営の助成金活用まで、幅広くサポートいたします。

従業員の健康は、企業の未来をつくります。
この機会に、健康診断の実施体制を見直してみませんか?

比べなければ楽になる 〜自分らしく働ける職場づくりのヒント〜 (椎名社会保険労務士事務所)

私たちは日々、無意識のうちに「他人と自分」を比べてしまいがちです。
職場でも、「あの人のほうが仕事が早い」「自分は評価されていない」「あの人は上司に気に入られている」――そんな比較から生まれるモヤモヤを抱えながら働いている方も多いのではないでしょうか。

しかし、比べることをやめれば、心はぐっと楽になります。
今回は、「比べない」ことの大切さと、職場づくりへのヒントをお伝えします。

■ なぜ比べてしまうのか?

私たちは子どものころから「通知表」や「偏差値」、あるいは「○位」など、順位や評価に慣れ親しんできました。
社会人になっても、「営業成績」「残業時間の少なさ」「資格取得」など、数字で比べられる場面が多く存在します。

こうした比較がやる気や向上心につながることもある一方で、過度な比較は自己否定やストレスにつながります。特に、SNSなどで他人の成功ばかりが目につく現代では、自分に対する不満や焦りが強くなる傾向も見られます。

■ 比べないことで得られるもの
◎ 自分の成長に集中できる

他人ではなく「昨日の自分」と比べることによって、日々の小さな進歩を感じられます。
たとえゆっくりでも、自分なりのペースで成長している実感が、前向きな気持ちを育てます。

◎ 人間関係が良くなる

他人と比べることで生まれる嫉妬や競争心は、職場の雰囲気を悪くする原因になります。
「この人はこの人のやり方」「自分は自分」と考えられれば、お互いを認め合える関係性が築けます。

◎ 自己肯定感が高まる

他人と比較して落ち込むよりも、「今の自分を受け入れる」ことで、心の余裕が生まれます。
ありのままの自分にOKを出せることは、健全な働き方・生き方の第一歩です。

■ 企業ができる取り組み

椎名社会保険労務士事務所では、従業員一人ひとりの強みや個性を活かす職場づくりをサポートしています。
「比較ではなく、認め合う文化」を根づかせるためには、次のような取り組みが有効です。

● 公平な評価制度の見直し

数値だけでなく、プロセスや努力、チームワークなども評価対象に含める制度を導入しましょう。

● 「褒める」「認める」文化の醸成

上司からのフィードバックや、同僚同士のポジティブな声かけが、職場全体の空気を変えていきます。
→「ありがとうカード」や「Good Job掲示板」など、仕組みづくりも効果的です。

● 目標設定は「自己ベース」で

全員が同じ目標を追うのではなく、「本人の課題に応じた目標設定」が重要です。
→ SMART目標(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)なども活用しましょう。

■ 比べるより、認める職場へ

誰かと比べて一喜一憂するよりも、自分らしく働ける環境のほうが、心の健康にも、生産性にもよい影響をもたらします。
企業にとっても、従業員の離職防止やチーム力向上につながる大切な視点です。

椎名社会保険労務士事務所では、「比べず、認める」組織風土の構築支援や、人事制度の見直し、研修の企画運営などを通じて、皆さまの職場づくりをお手伝いしております。

「なんだか最近、職場の空気がピリピリしている」
「頑張っているのに、評価に納得できない社員がいる」
――そんなお悩みがございましたら、ぜひ当事務所へご相談ください。

☘ 椎名社会保険労務士事務所は、「笑顔・挨拶・ありがとう」の文化と、明るく元気な職場づくりを応援しています ☘

比べない、だから楽になる――そんな働き方を一緒に実現していきましょう!