業務指導の注意点 〜伝え方ひとつで職場が変わる〜 椎名社会保険労務士事務所

社員に対して業務を指導する場面は、どの企業でも日常的にあります。しかし、その「伝え方」や「対応の仕方」によっては、職場の雰囲気や社員のモチベーションに大きな影響を与えることがあります。今回は、業務指導を行う際に企業として気を付けたいポイントについて解説いたします。

1.感情ではなく、事実で伝える
業務の誤りを指摘する際、感情的になってしまうと、指導が「叱責」や「攻撃」と受け取られやすくなります。「なぜこのミスが起こったのか」「どう改善すればよいか」といった“事実ベース”で冷静に伝えることが大切です。

2.指導の目的は「成長支援」
指導は、相手を責めるためではなく「成長を促す」ために行うものです。相手の長所や努力を認めながら、改善点を具体的に伝えると、社員も前向きに受け止めやすくなります。

3.タイミングと言葉選びに配慮を
人前で叱るような形になってしまうと、プライドを傷つける可能性があります。内容によっては、1対1で落ち着いた場所を選び、相手の話にも耳を傾ける姿勢が信頼関係の構築につながります。

4.指導内容を記録する
何度も同じミスが繰り返される場合、指導内容や時期を記録しておくことが重要です。これは、後に人事対応(注意、配置転換、懲戒等)を行う際の根拠資料としても役立ちます。

5.指導する側の教育も大切
指導する上司が適切なコミュニケーションスキルを持っていなければ、指導の意図が伝わらなかったり、パワハラと誤解されたりする可能性もあります。企業として、管理職向けの指導研修を取り入れることも有効です。

最後に
業務指導は、企業と社員の信頼関係を築くチャンスでもあります。「どう伝えるか」「どう受け止めてもらうか」を意識することで、より良い職場環境が育まれます。
指導やコミュニケーションの仕組みづくりにお困りの際は、ぜひ椎名社会保険労務士事務所までご相談ください。