社員の健康は会社の財産 ~健康診断の実施で安心・安全な職場づくりを~ 椎名社会保険労務士事務所

企業における人材は、最も大切な経営資源です。どれだけ高度な技術や優れた商品があっても、それを動かすのは「人」です。その「人」の健康が損なわれれば、生産性や職場の活力に大きな影響を与えます。

そこで、今回は企業が実施すべき健康診断の重要性と、労務管理上のポイントについてお伝えします。

法律で義務付けられている健康診断とは?

労働安全衛生法では、企業には従業員に対して定期的な健康診断を実施する義務があります。代表的なものは以下の2つです。

◆ 雇入時健康診断(法第66条)

新たに従業員を雇い入れる際には、必ず健康診断を行わなければなりません。これは常用・パートを問わず、週の労働時間が通常の社員の4分の3以上であれば対象となります。

◆ 定期健康診断(法第66条)

常時使用する労働者に対して、年に1回以上の定期健康診断が必要です。

健康診断の実施は「義務」だけではありません

「法律で決まっているからやらなければならない」だけではなく、企業が健康診断を積極的に実施・活用することには大きなメリットがあります。

◎ 従業員の健康管理と早期発見

定期的な健康診断によって、生活習慣病や重大な疾病の兆候を早期に把握することができます。これにより、休職や長期療養といったリスクを減らし、労務リスクの低減にもつながります。

◎ 労災との因果関係の予防

万が一、業務上の病気や過労が疑われた場合にも、健康診断の記録は大切な証拠になります。労災申請の際の判断材料としても活用されます。

◎ 社員の安心感と企業イメージの向上

「自分の健康を会社が気にかけてくれている」という意識は、社員のモチベーションの向上にもつながります。採用活動の場面でも、健康経営に取り組む企業は好印象です。

健康診断実施後のフォローも重要

健康診断を実施した後は、下記のような適切な対応が必要です。

結果通知の実施(本人に書面で)

異常所見がある場合の就業上の措置や医師による意見聴取

安全配慮義務に基づいた配置転換や労働時間調整

これらを怠ると、安全配慮義務違反とされるリスクがあります。

健康診断費用と助成制度の活用

健康診断の費用は、原則として会社負担です。中小企業にとっては大きな負担となることもありますが、協会けんぽ等の健診補助制度や、労働保険事務組合を通じた補助制度など、活用できる支援策もあります。

また、健診結果を分析して、社内の健康増進プログラム(ウォーキングイベント、食事指導など)に展開することで、「健康経営」の第一歩となります。

椎名社会保険労務士事務所からのご提案

当事務所では、以下のようなサポートを行っております。

健康診断の実施体制の整備支援

産業医の紹介や面談手配の支援

健診後の労務対応(就業措置、休職制度)の助言

健康経営優良法人認定への取り組み支援

「うちは小さな会社だから…」というお声もありますが、従業員数に関わらず一人ひとりの健康管理は企業の未来を守る鍵です。

まとめ ~健康診断は“企業の責任”であり“信頼の証”~

定期的な健康診断の実施とフォローは、企業が従業員を大切にしているという証です。ぜひこの機会に、自社の健康診断の運用方法やフォロー体制を見直してみてください。

健康で元気な社員がいる職場は、活気があり事故も少なく、チームワークも自然と育ちます。
明るく元気な職場づくりは、健康管理から始まります!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>