近年、医療機関、建設業、小売業、介護事業、そして地域企業においても「シフト制勤務」が広く導入されています。人手不足や多様な働き方への対応という観点から、柔軟な勤務体制は大きなメリットがあります。
しかし一方で、「急なシフト変更」「本人の同意なく勤務時間が増減する」「生活設計が立てにくい」といった相談も、当事務所へ数多く寄せられています。
今回は、シフト制勤務の変更について、法的な視点と実務上のポイントを整理いたします。
1.シフト変更は会社が自由に決められるのか?
シフト制であっても、労働契約の内容や就業規則に基づいて運用する必要があります。
ポイントは次のとおりです。
労働条件通知書に勤務日・勤務時間の定めがあるか
就業規則にシフト決定方法が明記されているか
変更時の手続きが明確か
一度確定したシフトを会社が一方的に変更することは、労働契約法上の問題となる可能性があります。特に、労働者の生活に重大な影響を与える変更は慎重な対応が必要です。
2.変更時の注意点
(1)合理性と必要性
業務上やむを得ない理由があるかどうかが重要です。
単なる人員調整ではなく、「業務量の急増」「災害対応」「欠員補充」など合理的理由が求められます。
(2)事前の周知と協議
変更はできる限り早めに通知し、本人と話し合いを行うことが大切です。
突然の変更は、モチベーション低下や退職リスクにつながります。
(3)不利益変更にならないか
労働時間の減少による賃金減少や、深夜勤務増加などは不利益変更となる場合があります。
3.よくあるトラブル例
毎月の勤務日数が大きく変動し収入が安定しない
シフト確定後に何度も変更される
「人が足りないから」と半ば強制的に残業扱いになる
このようなケースでは、36協定の締結状況や労働時間管理体制の確認も必要になります。
4.明るく元気な職場づくりのために
椎名社会保険労務士事務所では、「褒める・認める・感謝する」文化づくりを大切にしています。
シフト制は、単なる時間割ではありません。
そこには「一人ひとりの生活」「家族との時間」「健康」が関わっています。
だからこそ、
事前相談を行う
希望休を尊重する
感謝の言葉を伝える
この積み重ねが、にこにこ職場をつくります。
5.実務上の整備ポイント
✔ シフト決定ルールを就業規則に明文化
✔ 変更期限(例:〇日前まで)を規定
✔ 勤務割表の保存
✔ 不利益変更時の同意取得
制度を整え、運用を丁寧に行うことがトラブル防止の第一歩です。
まとめ
シフト制勤務の変更は、法令遵守と同時に「人への配慮」が何より重要です。
企業の成長は、従業員の安心から始まります。
急な変更ではなく、話し合いと信頼関係を大切にする運用を心がけましょう。
椎名社会保険労務士事務所では、就業規則整備やシフト制度設計、労働基準監督署対応まで総合的にサポートしております。
地域企業の皆さまとともに、
明るく元気な職場づくりを進めてまいります。