年金制度改革関連法が自民・公明・維新など賛成多数で成立

年金制度改革関連法には次の内容が盛り込まれています。
(1)年金支給額の新たな改定ルールの導入(平成33年4月施行)
これまでは物価上昇時に賃金が下がっても、年金支給額は据え置かれていましたが、新たなルールでは、平成33年度から賃金が下がった場合、これにあわせて年金支給額も引き下げるとしています。
【具体例①】
物価が+0.5%上昇し、賃金は―0.5%下落したとき、現行ルールでは前年同様据え置きとしていましたが、新ルールでは―0.5%とします。
【具体例②】
物価が―0.5%下落し、賃金は―1.0%下落のとき、現行ルールでは―0.5%としていましたが、新ルールでは―1.0%とします。

(2)マクロ経済スライドの強化(平成31年4月施行)
さらに、年金支給額の伸びを物価や賃金の上昇より低く抑える、「マクロ経済スライド」を強化。マクロ経済スライドは、デフレ経済の下では実施されませんが、年金制度の持続性を高めるため、景気が回復した際に、実施しなかった年の分もあわせて支給額を抑制するとしています。

(3)GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人の体制見直し
法律では公的年金の積立金を運用する、GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人について、運用のリスクを適切に管理するため、権限が理事長に集中している今の仕組みを見直して、金融の専門家らで作る「経営委員会」を新たに設け、投資の方針などを合議制で決めるとしています。

(4)国民年金第1号被保険者の産前産後期間中の保険料免除(新設)(平成31年4月施行)
子育て支援のため、国民年金に加入する女性の自営業者(国民年金第1号被保険者)らを対象に、産前産後期間中の保険料を免除し、その財源として自営業者らの保険料を月額で100円程度引き上げるとしています。

(5)短時間労働者の厚生年金の適用拡大(平成28年10月実施)
従業員が500人以下の企業で働くパートなどの短時間労働者にも、労使合意により、厚生年金の適用拡大ができるようになります。