私は現在、八日市場簡易裁判所の司法委員を務めています。
皆さんは「司法委員」という役割をご存じでしょうか。
司法委員とは、簡易裁判所の民事訴訟において、裁判官の求めに応じて和解の試みを補助したり、審理に立ち会って意見を述べたりする役割を担う人のことです。
裁判というと、原告と被告がそれぞれの主張をぶつけ合い、裁判官が判決を下すというイメージが強いかもしれません。
しかし、裁判には判決だけでなく、**当事者双方が話し合い、納得できる解決を目指す「和解」**という方法もあります。
司法委員は、その話し合いをお手伝いする役割も担っています。
■ お互いの言い分に耳を傾ける
紛争には、それぞれの立場や事情があります。
一方には一方の言い分があり、もう一方にも、その人なりの考えや思いがあります。
大切なのは、最初からどちらかが正しいと決めつけるのではなく、双方の話をよく聴き、何が問題となっているのかを整理することだと思っています。
時には、感情的になってしまうこともあるでしょう。
長年の不満や、ちょっとした行き違いが積み重なって、大きなトラブルに発展することもあります。
だからこそ、相手の立場を理解しようとする姿勢が大切です。
■ 和解は、お互いが一歩ずつ歩み寄ること
私が大切にしているのは、「相手の話を聴くこと」と「解決に向けた可能性を探ること」です。
和解は、必ずしもどちらか一方が全面的に譲ることではありません。
双方が自分の主張を伝えたうえで、現実的な解決方法を考え、少しずつ歩み寄ることが大切です。
もちろん、すべての紛争が和解によって解決するわけではありません。
それでも、話し合いを通じてお互いの考えを理解し、解決の糸口が見つかることには、大きな意味があると感じています。
■ 社会保険労務士の仕事にも通じています
私は社会保険労務士として、日頃から企業の労務管理や労使トラブルなど、さまざまなご相談をお受けしています。
会社には会社の事情があり、従業員には従業員の思いがあります。
労務トラブルでも、お互いの話を十分に聴かないまま対応してしまうと、問題がさらに大きくなってしまうことがあります。
大切なのは、問題が発生したときに、相手の話をよく聴き、事実関係を整理し、法律やルールを踏まえながら解決方法を考えることです。
「相手の立場を理解する」「話し合いを大切にする」「できることから解決に向けて行動する」
これは、司法委員としての役割にも、社会保険労務士としての仕事にも共通していることだと感じています。
■ トラブルを未然に防ぐことも大切
紛争が起きてから解決することも大切ですが、できればトラブルになる前に防ぎたいものです。
日頃から挨拶を交わすこと。
相手の話に耳を傾けること。
感謝の気持ちを言葉にすること。
そして、小さな問題をそのままにしないこと。
こうした日々の積み重ねが、信頼関係を築き、トラブルの予防につながるのではないでしょうか。
私が日頃から大切にしている言葉があります。
「褒める・認める・感謝する」
職場でも、家庭でも、地域社会でも、お互いを尊重する気持ちを忘れずにいたいものです。
■ 最後に
司法委員という役割を通じて、改めて人と人との話し合いの大切さを感じています。
一人ひとりの考え方や立場は違っても、相手を理解しようとする姿勢があれば、解決への道が開けることもあります。
これからも司法委員として、公正・中立な立場を大切にしながら、与えられた役割を誠実に務めていきたいと思います。
そして、社会保険労務士としても、企業と従業員の双方が安心して働ける職場づくりをお手伝いしてまいります。
今日も笑顔で、挨拶から始めましょう!
椎名社会保険労務士事務所