「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」中間報告(平成28年12月16日)

日本では、産業別労働協約ではなく、企業別の労働条件設定が中心。雇用流動性もそれほど高くない。これらの移行・改革も長期的には必要。
⇒できるだけ早期に待遇改善を実現させるためには、次の3つが柱。
①正規・非正規社員両方の賃金決定ルール・基準の明確化
②職務や能力等と賃金など待遇水準との関係性の明確化
③能力開発機会の均等・均衡による一人ひとりの生産性向上

ガイドラインの位置づけ/民間(労使)の取組等
◆ 本来は、賃金決定は民間(労使)に委ねるべき。本検討会では、ガイドライン「案」は、第一義的には現行法解釈の明確化と位置付け。ガイドラインの制定・発効には、適切な検討プロセスを経ることが望ましい。
◆ ガイドラインが待遇改善に役立つためには、民間(労使)による積極的な取り組みが不可欠。賃金決定を客観化・透明化し、正規・非正規間を比較可能にすることが重要。
◆ 民間(労使)の取組が十分出来ていないと、職務分離などの副作用や企業経営への過度な影響のおそれ。ガイドラインの制定・発効には過不足のない時間軸の確保が重要と同時に、民間の積極的な取り組みを促す方策も必要。
◆ 具体的取組は、手当を優先的に。(比較的決まり方が明確。職務内容等に直接関連しない手当に関しては、比較的早期の見直しが有効かつ可能)
◆ 基本給部分は、段階を踏んだ取組が必要。(決まり方が複雑。賃金表の作成等を通じ、決まり方の明確化、比較可能にすること等が必要。)
◆ 企業規模や歴史的経緯、非正規社員比率など企業の実情に合わせた丁寧な対応が必要。
◆ 労働者派遣については、まず派遣元内の待遇差の是正が必要派遣先社員との均等・均衡待遇は、丁寧な制度設計が必要。
◆ 待遇改善には、非正規社員のキャリア形成や能力開発が重要、生産性向上等を通じた待遇改善の視点を取り入れていくべき。

※長澤運輸事件の判決等、今後の事例に注視しましょう!