大きな目的を達成するために ~目標を細分化するという考え方~ 椎名社会保険労務士事務所

企業経営において「大きな目標」を掲げることはとても重要です。たとえば、「業界No.1の顧客満足度を実現する」「残業ゼロの職場をつくる」「離職率を半分にする」といったビジョンは、社員の意識を統一し、組織の方向性を明確にしてくれます。

しかし、その大きな目標を漠然と掲げるだけでは、現場では「何から手をつけてよいかわからない」という声が上がることもあります。ここで重要になるのが、「目標の細分化」です。

■ なぜ目標を細分化するのか?
大きな目標は、それ単体では抽象的です。社員一人ひとりが「自分にできること」に落とし込まなければ、行動に結びつきません。そこで、「大きな目的」を「中目標」「小目標」「日々の行動目標」にまで分解することがカギとなります。

■ 目標細分化のステップ
たとえば「残業ゼロの職場を目指す」という大きな目標があるとしましょう。

中目標:
 ・各部門で月10時間以上残業している要因を洗い出す
 ・業務プロセスの見直し案を月内に提出する

小目標:
 ・朝の会議を15分に短縮する
 ・属人化している業務を一覧化し、引き継ぎ可能にする
 ・不要な書類の見直しを実施する

日々の行動目標:
 ・1日30分、業務改善の時間を確保する
 ・メール返信を1時間以内に行う仕組みをつくる

このように、目標を段階的に分解することで、社員一人ひとりが自分の行動に落とし込みやすくなり、成果も見えやすくなります。

■ 成功体験の積み重ねが組織を動かす
「今日はこのタスクを終えられた」「この改善提案が採用された」といった小さな成功体験が、やがて大きな目標達成への原動力となります。これは、人材育成においても同様で、新入社員の教育でも「できたこと」を積み重ねることで、成長を実感しやすくなります。

■ 社労士の視点から
私たち椎名社会保険労務士事務所では、労務管理や人事制度設計の中で、この「目標の細分化」をサポートしています。たとえば人事評価制度においても、評価項目を「行動基準」まで明確に細分化することで、公平性と納得感を高めることが可能です。

■ まとめ
大きな目標を持つことは大切です。しかし、それを「社員一人ひとりの行動」までつなげていくには、細分化というプロセスが欠かせません。

「今、自分にできることは何か?」
その問いに明確に答えられる職場こそが、目標達成に向けて着実に前進する組織です。

椎名社会保険労務士事務所では、目標達成につながる組織づくり、従業員研修、労務改善のご相談を随時承っております。お気軽にお問い合わせください。