こんにちは。椎名社会保険労務士事務所です。
働き方改革が進む中で、「時間外労働」や「休日労働」に対する割増賃金の適正な支払いは、企業にとって重要な労務管理のポイントです。今回は、割増賃金の基本をわかりやすく整理してみましょう。
■ 割増賃金とは
割増賃金とは、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて労働した場合などに、通常の賃金に一定の割合を上乗せして支払う賃金のことです。労働基準法では、以下の割増率が定められています。
時間外労働(法定時間外)・・・25%以上
深夜労働(22時~翌5時)・・・25%以上
休日労働(法定休日)・・・35%以上
60時間を超える時間外労働・・・50%以上(中小企業は猶予期間終了済)
これらを正確に把握しておかないと、未払い残業代のリスクが発生する可能性があります。
■ 割増賃金の計算方法
まず、月給者の場合は「1時間あたりの賃金単価」を求める必要があります。
計算式は次のとおりです。
(月給 ÷ 月の平均所定労働時間数) × 割増率 × 対象時間数
例えば、月給30万円、所定労働時間が月160時間の社員が10時間残業した場合:
30万円 ÷ 160時間 × 1.25 × 10時間 = 約23,437円
このように、基礎単価を正しく求めることが大切です。
■ 注意したいポイント
「所定外労働」と「法定外労働」を混同しない
割増賃金の基礎に「通勤手当」や「家族手当」など除外項目がある
管理監督者でも深夜労働には割増が必要
近年は労働時間の把握義務も厳格化され、勤怠管理システムの導入や36協定の見直しも進んでいます。
■ 適正な賃金管理が信頼を生む
割増賃金の正確な計算と支払いは、従業員との信頼関係の基盤です。
「働いた分を正当に評価する」ことが、モチベーション向上と職場の安定につながります。
椎名社会保険労務士事務所では、労働時間管理や賃金規程の整備、36協定の作成などを通じて、企業の労務リスク軽減をサポートしています。
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