椎名社会保険労務士事務所では、日頃から企業の皆さまの労務管理や就業規則、人事制度、年金など、さまざまなご相談をお受けしています。
その一方で、私は独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構の相談・援助業務にも携わり、企業の高齢者雇用についての相談やアドバイスを行っています。
「高齢者を雇う」から「高齢者に活躍してもらう」へ
少子高齢化、人手不足が進む中、企業にとって高齢者雇用はますます重要なテーマになっています。
「定年を65歳に引き上げたい」
「70歳まで働ける制度を検討したい」
「再雇用制度を見直したい」
「高齢社員の賃金や評価制度をどうしたらよいか」
「若手社員への技能承継を進めたい」
企業を訪問すると、このようなご相談をいただくことがあります。
大切なのは、単に雇用年齢を延ばすことではありません。
高齢社員の経験や技術、知識を会社の力として、どのように生かしていくか。
ここまで考えて制度をつくることが重要だと感じています。
高齢社員には会社の財産があります
長年働いてきた社員には、その会社で積み重ねてきた経験があります。
仕事の進め方、お客様との関係、トラブルへの対応、現場で身につけた技術など、マニュアルだけでは伝えられないものも少なくありません。
こうした経験を若い社員へ伝えてもらうことは、会社にとって大きな財産になります。
一方、高齢社員にとっても、自分の経験が会社や後輩から必要とされることは、働く意欲につながります。
そのためには、年齢だけで一律に考えるのではなく、一人ひとりの能力、経験、健康状態、本人の希望などを踏まえた働き方を考えていくことが必要です。
65歳定年、70歳までの就業機会をどう考えるか
最近では、65歳への定年引上げや、その後の70歳までの就業機会について相談を受けることも増えています。
制度を変更する場合には、定年年齢だけを変更すればよいわけではありません。
賃金制度、退職金、役職、仕事内容、人事評価、勤務時間、再雇用制度、就業規則など、さまざまな制度との整合性を確認する必要があります。
特に重要なのが、**「60歳以降、どのような役割を担ってもらうのか」**という視点です。
役割が明確になれば、賃金や評価制度についても考えやすくなります。
高齢者雇用は若手社員のためでもあります
高齢者雇用というと、高齢社員だけの問題と思われるかもしれません。
しかし、私は若手社員にとっても大きな意味があると考えています。
ベテラン社員が持っている技術や経験を若手へ伝える仕組みをつくれば、会社全体の人材育成につながります。
「教える高齢社員」と「学ぶ若手社員」。
そこに管理職が関わり、お互いを褒める・認める・感謝する職場をつくることができれば、世代を超えて働きやすい会社になっていくのではないでしょうか。
制度をつくるだけで終わらせない
私は相談・援助業務を通じて、さまざまな企業の高齢者雇用について一緒に考えています。
そこで改めて感じるのは、制度は「つくって終わり」ではないということです。
実際に働く社員の声を聞きながら、
「この会社では、何歳になってもどのように活躍してもらいたいのか」
を考えることが大切です。
高齢社員が元気に働き、若手社員へ経験を伝え、若手社員が成長する。
そして会社も人材不足への対応や技能承継を進めることができる。
そんな会社・高齢社員・若手社員の三者にとってプラスとなる高齢者雇用を目指したいと思っています。
椎名社会保険労務士事務所でも、就業規則の見直し、定年延長、継続雇用制度、賃金・評価制度など、高齢者雇用に関するご相談をお受けしています。
これからも企業の皆さまと一緒に、「長く働ける会社」から「長く活躍できる会社」へ、より良い職場づくりを考えていきたいと思います。