賃金支払いが「必要」と判断されやすいケース
次のような場合は、労働時間と評価され、賃金支払いが必要となる可能性が高いです。
会社が参加を義務付けている研修
業務に直接必要な知識・技能を習得させる内容
日時・場所・内容が会社により指定・管理されている
研修中の行動が会社の指揮命令下にある
たとえ「雇用契約書の締結前」であっても、実質的に労働と同視される場合は賃金支払い義務が生じます。
賃金支払いが「不要」と判断されやすいケース
一方、次のような場合は、賃金不要と判断される余地があります。
参加が完全に任意である
一般的な自己啓発・会社説明会レベルの内容
業務とは直接関係しない、社会人マナーの基礎など
不参加でも不利益が一切ない
ただし、「任意」としつつ実質的に強制になっている場合は注意が必要です。
実務上の注意点(トラブル防止)
「入社前だから無給」と一律判断しない
研修の目的・拘束性・業務関連性を整理する
無給とする場合は、任意参加であることを明確に書面化
迷う場合は、入社日を早めて有給研修にするのも安全策
まとめ
入社前研修でも、実態が「労働」であれば賃金支払いは必要です。
形式よりも実質判断が重視されるため、研修設計には慎重さが求められます。
入社前研修の位置づけや規程整備について不安がある場合は、早めの確認をおすすめします。